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「おっお前、大丈夫か…?」
アレックスが声をかける。
「うぅぅ…っうん…」
「怪我は、してない…な」
アレックスに手を差し伸べられ、立ち上がる私。
「あの、お膝…血が出てるよ、」
「あ、こっこんなの痛くねぇし‼」
ふふっ、相変わらず強がりなんだから、
「これ、どうぞ」
幼い日の私が出したのは首に巻いていたスカーフ
「痛くねえのに、しゃーねえな!…ありがと」
アレックスは傷口にスカーフを巻き、礼を言う
「…懐かしいな」
その時、後ろに気配を感じ振り返ると、そこには血塗れの現在のアレックス
「A…何で、俺を見捨てたんだ…?」
手をこちらに伸ばしよろよろと近づいてくるアレックス
「ッ!やぁ…」
その姿に恐ろしさを感じ、思わず腕で顔を隠す
「ごめっアレックス、ごめんなさい‼」
「A!」
遠くで誰かの声がする
「A…何で」
「ごめんなさ…」
「A!! しっかりしなさい‼」
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「はっ!?」
目を開けると、目の前にはローデリヒさん
「…ローデリヒ、さん?」
「…だいぶ魘されていましたよ」
ローデリヒさんは眼鏡をかけ直しながらいった。
「ありがとう…ございます」
起き上がり、ポタリと滴が落ちる。
「…辛い夢でもみたのでしょう、ほら、拭きなさい」
ローデリヒさんがハンカチを渡してくる
「はい」
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作者名:ましゅまんじゅう | 作成日時:2018年9月5日 0時