八十四ミリ ページ43
梨花sid
「いや、真剣な話。」
轟くんにそんな事を言われ、ドキリと心臓がはねる。
でも、私が考えていることはバレたくない。
だから、私は今日も仮面をかぶる。
「何？」
平常心を装いながら私は言う。
でも、轟くんには私が装ってることはお見通しだと思う。
それでも聞いてこないのは、轟くんなりの優しさ。
「何で買い物行けねぇんだ？」
少し、拍子抜けだった。
真剣な話と言うから、もっと違う別のことかと思っていたから。
(やっぱり、轟くんも分かってくれないんだ)
ホッとしたような、どこか悲しいような気持ちを抱えながらも私はその質問に対して答える。
「なーんだ。真剣な話って言うからビックリしたー。ただ単に用事があるだけ。」
決して間違ってはいない。
けど、合ってるわけでもない。
…でも、こう答えるのがベストだったとおもう。
「そうか…なら、その用事って…」
「他に質問はないんだよね？」
私はそう言いきる。
その質問は想定内。
答える義務は無い。
「あと一ついいか？」
「私が答えられる範囲ならどうぞー」
さて、何を質問されるかな。
遠回しに聞くか、攻めてくるか。
ま、これは本当のこと答えてあげるとしよう。
「俺に、隠し事はどれくらいしてる？」
「……そうだねー」
そうきたか。
以外とストレート、かな？
私は考える素振りを見せたが、答えは最初から一つ。
「たーくさん？」
思いっきりの笑み。
心のそこからの笑み。
「まぁ、一つ言えるのは私の好みを知らないだとかそんなんじゃない。
もっともーっと凄いこと。ね？
だから、あんまし聞いてほしくない。」
「…分かった」
轟くんは口では分かったと言っていても、実際はそんな事思ってもいないだろう。
きっと、また聞いてくる。
私は絶対に言わない。
…言えない。
言ってしまえたらどんなに楽だろうか。
しかしそれをしてしまったら、今までの私は無駄になってしまう。
そんなの、嫌だ。
だから私は笑う。
精一杯の笑顔で。
今日も、これからも
仮面を被って、私は生きていく。
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のまーん(プロフ) - 千々さん» おけまる (2019年8月22日 14時) (
レス) id: 40246c291e (このIDを非表示/違反報告)
千々 - え、ねえねえ、どうやったら文字のリンク張れるの？ここで雑談まずいから談話室の方来てよ。 (2019年8月22日 11時) (レス) id: 787908e789 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：るぅ | 作成日時：2019年8月8日 21時
