八十三ミリ ページ42
「なぁ、電灯」
時は流れ、今は帰り道。
二人で話すにはもってこいの時間。
「なーに？トマトについての話？なら喜んで…」
「いや、真剣な話。」
俺がそう言ったら、電灯はピクッと反応するも、すぐにいつもの顔に戻った。
「何？」
どうやら電灯はあくまで平然を装うつもりらしい。
「何で買い物行けねぇんだ？」
心から疑問に思ったこと。
いつもの電灯だったら、喜んで行くだろう。
…いや、「いつも」というより、「俺の知ってる電灯」ならだ。
「なーんだ。真剣な話って言うからビックリしたー。ただ単に用事があるだけだよ。」
「そうか…なら、その用事って…」
「他に質問はないんだよね？」
どうやら聞かれたくないことらしい。
顔はいつも通りだが、様子がおかしい。
「あと一ついいか？」
「私が答えられる範囲ならどうぞー」
「じゃあ…」と俺は少し考える。
どの質問が最適か。
「俺に、隠し事はどれくらいしてる？」
「……そうだなー」
電灯は少し考える素振りを見せた、が。
答えは最初から決まっていたようだ。
「たーくさん？」
そう言った電灯の顔が恐ろしく思ってしまった。
「まぁ、一つ言えるのは私の好みを知らないだとかそんなんじゃない。
もっともーっと、凄いこと。ね？
だから、あんまし聞いてほしくない。」
「…分かった」
「分かればよろしい！ってことで何の話する？そういえば、私たちってラインとか交換してなかったよね！交換しよ！」
そう言って携帯を差し出してくる電灯。
そのあと、携帯を交換して試しにスタンプを送ってみるなどとして、話せる機会はなくなった。
家につき、俺はラインに新しく記された電灯の名前を眺めていた。
交換できて嬉しいはず。
なのに
全く気持ちがすっきりしない。
だって、こんな物を交換したところで電灯の事が何か分かるわけではない。
ただ、連絡手段が出来ただけ。
ふと、俺は思った。
俺は、電灯の事を何一つ知りやしない。
言ってしまえば、電灯梨花という名前しか知らない。
こんなんじゃ守ってやれない。
もっとちゃんと電灯の事を知ろう。
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のまーん(プロフ) - 千々さん» おけまる (2019年8月22日 14時) (
レス) id: 40246c291e (このIDを非表示/違反報告)
千々 - え、ねえねえ、どうやったら文字のリンク張れるの？ここで雑談まずいから談話室の方来てよ。 (2019年8月22日 11時) (レス) id: 787908e789 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：るぅ | 作成日時：2019年8月8日 21時
