七十五ミリ ページ32
そのあとは何度出ようとしても電灯に「行かないで」と言われるばかり。
流石にきりがなかったのでどうにかしようと考えていた。
「じゃあそろそろ…」
「まだ行かないで…天使さん」
「……」
どうしてもダメらしい。抵抗できない俺も俺だが。
しかも途中から俺は天使さんになってるし…
「…何でどこかに行っちゃうの？」
「…え？」
予想外の発言に驚く。
寝ボケてるにしても違和感のある言葉だ。
「…みんな…私が出来ないと…どこか行っちゃうもん…出来ないってそんなに…ダメ…？」
言っていることは半分くらいしか分からなかった。
けど悲しい気持ちは分かる。
俺だって親父に何度も鍛えられた。
その際「なぜ出来ないんだ」等言われた。
電灯もそうなのか…？
「…俺はどこにも行かないから」
つい口に出てしまった。
ちらっと電灯の顔を見た。
「…ぐー…」
「………」
聞いてなかったか…
俺は電灯の顔を撫でた。
「今度は…起きてるときに言ってやるからな…」
絶対に…
「…ありがとう天使さん」
そう聞こえた気がした。
――――――――――――
「…凍、焦凍！」
「…お」
「全く…何で焦凍まで寝ちゃうかな…」
どうやらいつの間にか寝てしまっていたらしい。
隣に電灯がまだ寝ている。
「電灯本当に起きろ」
「あ、おはよう！ここはだれ私はどこ？」
「ここは俺の家。お前は電灯。」
「何でここに？」
そして俺は今までの経緯を説明した。
電灯は頷きながら聞いていた。
「そうだったんだー。ありがとうございました。」
「いえいえ。今度はお客様として家に遊びに来てね！」
「はい！センキューブルーベリー」
「何いってんだ」
「焦凍。夜遅いから送ってってあげて」
「言われなくても分かってる。電灯、行こう」
「うん！ありがとーそしてお邪魔しました！」
そうして俺たちは電灯の家に向かった。
夜の道は人通りが少なくて二人で通るには寂しいくらいだった。
「こっちであってるか？」
「ううん。一個前の所右。」
「…何で早く言わねぇんだ…」
どうやら電灯は方向音痴らしい。
何度も電灯の家につくまで何度か迷った。
「ここだよ」
「…でけぇな」
「そう？」
本当にでかい。
掃除大変そうだな。
「じゃあ送ってくれてありがとう。今度はお客家にあがって牛乳でも飲もう。」
「何で牛乳かは分からないけど分かった。またな」
そう言って俺は帰ろうと電灯に背を向け、家に帰った。
「…おやすみ、天使さん…」
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のまーん(プロフ) - 千々さん» おけまる (2019年8月22日 14時) (
レス) id: 40246c291e (このIDを非表示/違反報告)
千々 - え、ねえねえ、どうやったら文字のリンク張れるの？ここで雑談まずいから談話室の方来てよ。 (2019年8月22日 11時) (レス) id: 787908e789 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：るぅ | 作成日時：2019年8月8日 21時
