卒業式の後片づけ （中学生編) ページ26
卒業式は無事に終わった。
式の最中はさすがの乙見先輩も静かにしていた。
ただお兄ちゃんの卒業証書授与の時は懸命にウチワを振っていたが……
式が終わると３年生は最後のホームルームのため教室に戻る。
２年生はその間に体育館の片付けを任せられていた。主に椅子をしまったり床を拭いたり。
掃除が終わると一部の２年生は校舎前に残った。いわゆる出待ちだ。
花束を用意する生徒や緊張な面立ちをした生徒達が先輩達を出迎える準備をしていた。
1時間後、校舎から３年生達が出てきた。
いきなり先輩達を胴上げする体育会系の部員達。
あ、あそこでは憧れの先輩に告白する後輩という定番のシチュエーションが発生している。
さて、お兄ちゃんは……いた！実は私も花束を用意していた。家で渡してもいいのだけどやっぱりＴＰＯは大事だと思う。
私は小走りでお兄ちゃんの元へ近づいていくと、
「先輩！卒業おめでとうございます！」
先を越された。確か書道部の人達だっけ。五人の２年生女子がお兄ちゃんに花束を渡していた。
「ありがとう。何もしてないのに悪いね。」
「いえ！先輩は私達のフォローをいつもしてくださった事わかっていますから。」
「たいしたことしてないよ。」
「本当にありがとうございました！」
深々と頭を下げる書道部員達。よかったね、お兄ちゃん。
「あの……それで……出来れば記念に……その……ボタンを……」
「あ、ズルい！何抜け駆けしてんの！」
「先輩！私、実は先輩の事が！……」
「おい！約束が違うだろ！先輩！私と付き合……」
「す……す……好きで……痛い！首絞めてるの誰！？」
……なんか見苦しい事になってるぞ。誰か止めたほうが……あっ！
「ハルに何か話があるの？」
シーーーン
本妻の登場で場が見事に止まった。
「何も無いならもう去っていいよ。ほらシッ、シッ。」
まるで犬を追い払う様に手を振る乙見先輩。泣きながら立ち去る書道部員達。ちょっと可哀想だ。
「ハル、私が居ない間に何をしてたのさ？」
「時々部に顔を覗かせただけたぞ。」
「本当に？まぁいいけど……さぁ、もう帰ろ……」
「お兄ちゃん！」
私はお兄ちゃんの元へ走った。そして
「お兄ちゃん！卒業おめでとう。」
私はお兄ちゃんに花束を渡す。
「充希、ありがとう。うれしいよ。」
花束を受け取ったお兄ちゃんは私の頭を優しく撫でてくれた。
「ハル！？ちょっと充希ちゃん！？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
h16ayakaアヤッカー(プロフ) - zenさん» まじ黙れ。書いても無ぇお前に言う権利は無いわ。自分の主張を書きたいだけだろうが。失せろ (2019年7月9日 22時) (
レス) id: a6a42def20 (このIDを非表示/違反報告)
zen - この物語、設定は面白いのですがライハの性格が読んでいてとても不快になるものです。どこがおもしろいのか全くわかりません。 (2019年7月9日 18時) (レス) id: 6b2aac275b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ケントマイルド | 作成日時：2019年6月23日 7時
