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帰る人 迎える人 (エマ、レイ、その他) 【約ネバ短編集】 ページ2

「もういやー!」

私は走る。必死に。

「く、大型の野良鬼!」

「しかも奇行種!」

何だよ!奇行種って!

調子にのってた二人の女戦士は鬼を見つけてはバンバン銃を撃ちまくった。

鬼狩りである。

が、もちろん上手くいかないこともある。結果、今まで見た中でも一回り大きな体格の野良鬼に追われている。

しかも森の中ではなく、平地で。

身を隠す場所もない、単純なおいかけっこだ。

六人は横一列に走ってるが、次第にペースが落ちる者もいる。

私ギルダだ。だってこのメンバーの中で一番足が遅いから。

振り向いて銃を撃つ余裕もない。立ち止まった瞬間鬼の攻撃を喰らうのはあきらか。

私は最後尾で……いや、私の後ろに1人いた。

レイだ。

レイは横目で凄い形相で追いかけてくる鬼を観察しながら、

「このまま全力疾走だ!」

言われなくてもわかっているがもう息があがってきた。

突如!レイが転んだ!いや、わざと……なの?

「レーーーイ!」

エマが、ヴァイオレットが、みんなが叫んだ。

全力疾走からの転倒は体のダメージも激しいはず。このままでは鬼に襲われ……なかった。

全力疾走なのは鬼も同じ、倒れたレイをまたぐる結果に。

瞬間、レイは鬼の足に、腹にありったけの銃弾を浴びせた。ダメージを受けた鬼は勢い余って転倒する。

最大の好機がやって来た私達は鬼を取り囲む。が、鬼は大きく跳び上がり私達から距離をとった。

おいかけっこは終わったがまだ私達のピンチはまだ終わらない。だが最大の危機はひとまず去った。

「痛て……。」

起き上がる今回の功労者、レイ。

顔と右膝から血が滲んでる。

「レイ、大丈夫?」

鬼に銃を向けながら心配そうにするエマ。

「鬼から目を離すなよ。」

自身も鬼を睨み付けるレイ。

「もうシェルターの近くだ。ここでこの鬼を倒すぞ!」

ザックの声に全員に再び緊張感が戻る。

そう、もうすぐだ。ここまで帰ってこれた。

こんなところで死ぬわけには……

私達は一歩ずつ鬼を追い詰める。





ー同時刻 シェルター内部ー

「……異常なしね。」

監視モニターをチェックする私はソーニャ。シェルターの周辺は平和だ。

タタタタタッ

モニタールームに客が現れた。ジリアンとナイジェルだ。

「ソーニャ、周辺に異常は!?」

「え、特に……」

いつもと様子が違うジリアン。

「ヤバイぞ、ヤバイぞ!」

監視モニターを操作するナイジェル。

「おい、どうした!」

「アンナが外に出た!」



……はい!?

迎える人 待てない人 (ジリアン、ナイジェル、アンナ) 【約ネバ短編集】→←待ち人 帰る人 (エマ、レイ、その他) 【約ネバ短編集】



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ケントマイルド(プロフ) - わさびさん» 遅くなりましたが感想ありがとうございます。これからもよろしくお願いします。 (2019年5月15日 21時) (レス) id: a0b55a38da (このIDを非表示/違反報告)
わさび(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます!これからも応援してます! (2019年5月14日 17時) (レス) id: a869eac88d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ケントマイルド | 作成日時:2019年4月27日 0時

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