番外編 二刀流の歴史 2 ページ14
刀を握ったのは確か4歳だった
父は鬼に喰われ、母は再婚相手の元へ行くため、私を祖母、哀川氷華の元へ置いていった。
手紙も寄越さなければ顔も見せない、祖父は元々いなくて、たまに元恋人の鱗滝さんが訪ねてくる程度、祖母と、道場の門下生と過ごす日々は、幸せと言えるが寂しさが私の心を食っていった
悪夢を見た時に添い寝してくれる人も、悲しい時に抱きしめてくれる人も、泣いた時に涙を拭ってくれる人も…私の心に寄り添ってくれる人物は、誰も居なかった
「A、今日から一緒に暮らすことになった。冬治よ、仲良くしてやってね」
「…うん」
祖母の隣に座る、顔の整った中性的な美少年は、ニッコリと私に微笑んだ。
「よろしく、A」
彼はその容姿の所為で人攫いにあい、転々として居た時に祖母に助けられたらしい
「……」
門の前でじっと座り、ぼーっと外を眺める
「茂雄！何A見つめてんだよ！」
「煩いぞ！バカタレ！！」
背負って居た竹刀を持ち、おちょくる門下生を追いかけた茂雄に目もくれず。ぼーっと遠くを眺める
「今日は冷えるぞ」
「…いいよ、寒いのなれてるから、氷は寒くても平気でしょ」
吐く息は白く、眺めている先には何もないのがわかってるのに、それを認めたくないようだった
二人が話しているのに気づき、茂雄は立ち止まり、複雑な面持ちで二人を見つめた
「冬治はさ、親がいなくて嫌じゃないの？」
「あぁ、俺はもう慣れたさ、お前と違って人の愛情をたくさん受けたからな」
「煩いな…」
なんだか祖母の氷華に似ている気がした。氷華が二人は辛い
「与えてもらえなさ過ぎると、人の愛情が怖くなるんだろう、その気持ちも、分からなくはない、母親を待つのもそろそろ潮時だと思うぞ」
「…お婆ちゃん、冬治に変なことばっかり言う…」
心底切れたように溜息をこぼした。
「寒くて凍ってしまったなら割れないようにゆっくり溶かせばいい」
ポンポン、と背中を叩き、「この文武両道、容姿端麗な俺が側にいてやろう、氷華師匠の孫だ。面倒くらいは見てやる」
「…上からだなぁ」
とか言いながら、久々に感じた人の体温が暑くて暑くて仕方がなく、涙が出てくるほど胸が暑くて仕方がなかった
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トウセ(プロフ) - 強く生きよ乙女の更新して下さい！！お願いします！ (2017年10月14日 10時) (
レス) id: 1bdce7f715 (このIDを非表示/違反報告)
ほほふー - 面白いです！！どんどん更新するのをまっておりますです！！ (2017年8月22日 22時) (レス) id: 0a6d4540cc (このIDを非表示/違反報告)
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