番外編 結晶の記憶 2 ページ11
「おい、この姿勢で寝られると俺が動けないだろう」
縁側に座り、本を読んでいると、何処からともなく現れたAが、冬治の膝に頭を乗せ、すぐに眠ってしまった。
「全く…お前は憎めない奴だ」
素直でなぜか憎めない、熟睡する我が妹弟子の髪の毛を優しく撫で、本にまた目を戻す
「お前たちは本当の姉弟のようだな」
「俺たちは本当の師弟だ」
「むぅ…!難しいな!」
気持ちよさそうに眠るAの顔は幸せそうで、煉獄もその顔を見て顔が緩んだ
「こいつは俺がいないとダメなんだ、本当に弱い奴だよ」
ぷにぷにと頬を突くと、少し顔を歪ませるのだが、その顔さえも愛おしく思えた
「俺が守ってやれるのも限界がある…困った弟子だよ」
「満更でもなさそうだな」
手のかかる弟子ほど可愛いものはない、とは誰が言ったのだろうか?
「その時は、俺がAの面倒を見よう!なぁに!冬治と俺の仲ではないか!」
「腐れ縁だ」
「ん〜…」
眠りが浅くなり、むくりと起き上がる、寝起きの顔はかなり間抜けでブサイクだった。目をこすり、直ぐに冬治に抱き着く
「おいおい、煉獄の前だぞ」
「いいの…」
冬治の肩に頭を乗せ、ふぅ、と息を吐く
「どうした」
ポンポン、と背中を叩き、子供をあやす様に抱きしめる
「…一人になる夢を見たの…凄く寂しくて悲しくて怖くて…」
肩が湿る感覚があった為、泣いているのだろう、Aは人一倍寂しがりで甘えたな奴だ。人の愛情が欲しくて欲しくて堪らない、欲のある奴だ
「A!安心しろ!冬治はお前を見捨てて死んだりしない!」
泣いているAを笑顔で励ます煉獄は、さすがお兄ちゃんだ
「そうですよね…私の師匠は強いですもん!!」
えへへっ、と冬治に笑いかける、喜怒哀楽が激しく素直なやつだ
コツン、とデコとデコくっ付ける
煉獄は見ているこっちが恥ずかしかった。
40人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
トウセ(プロフ) - 強く生きよ乙女の更新して下さい!!お願いします! (2017年10月14日 10時) (レス) id: 1bdce7f715 (このIDを非表示/違反報告)
ほほふー - 面白いです!!どんどん更新するのをまっておりますです!! (2017年8月22日 22時) (レス) id: 0a6d4540cc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ