biohazard of Japan【小説企画】 (ページ42)

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四十一話南都瑠依ページ42

ひょんな事から、天上さんに体術やナイフ術を教えてあげる事になった。

｢…で、そこで振り切ったら相手に隙が出来るけん、右手の短剣使うんや｣
｢なるほどー！
南都隊員、接近戦上手なんだな！｣
｢いや…俺は超短期戦型なだけやから｣

天上さんにゾンビへの対処の仕方を教えている最中の中でも、俺ん中のモヤモヤは収まらんかった。

決して天上さんに体術やナイフ術を教える事が嫌な訳やない。
やけど、自分でも疑問に思う事が、今でも心ん中で渦巻いとる。

誰かに、答えを聞きたい。

｢…ごめん、俺ちょっと用事できたわ。

真那斗、真瀬ちゃん、ペンテシレイアさん。
後はお願いできますか｣

｢おー、分かった｣

真那斗の呑気で落ち着く声。
あんがと、と言い、一目散にその場を離れる。

走って走って。
たどり着いたのは蒼さんの部屋。

コンコンとノックをすると、蒼さんの声が聞こえる。

｢あ、瑠依か。
急にどうした？｣

相変わらず皇さんと一緒に出迎えてくれる。

｢…相談があります。
よろしいですか｣
｢うん、いいよ｣

その返事にペコリと頭を下げ、傍の椅子に座る。

｢…何というか、愚痴っぽくなるんやけど…。

今さっき、ゾンビ達との戦いが起きたやないですか。
そん中に、俺の妹がおった｣

｢それは知ってるよ｣
それで？と首を傾げる蒼さん。

｢…俺はPhoenixに入った時から、妹の事を凄い悔やんどった。
あん時、俺が妹の前に出てればどうなっとった、とか。
妹も助けられる手立てはあったはずや、とか。

ほんで、いつもいつも妹探っしょった。
俺の目線はいつもゾンビの群れやった｣

こんなん、ほんまのシスコンやないか…気持ち悪い。

｢そんで、今日いざ見つけたら。

こいつは妹ちゃうって思った。

服も髪もボロボロやったけど、あれは絶対俺の妹や。
やのに、妹ちゃうって…｣

一つ、また一つと涙が零れる。
いろんな感情が渦巻いて仕方ない。

｢Phoenix入った時から、妹見つけたら絶対一緒に死んでやるって思っとった。
ゾンビになった妹にとって、それが一番の償いやと思っとった。

でも、足が動かんかった。
身体が、妹の事を拒んどった｣

それが悔しくて、悲しくて。

｢蒼さん…

こんな俺の事をどう思いますか。

こんな臆病で、気弱で…天邪鬼な俺の事を。

どう思いますか｣

死んでしまえと思いますか。

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シリアス製造機第二号です(錯乱)