三十一話 貴崎 真那斗 ページ32
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あれが.....
_____瑠依の妹?
「ッ.....めちゃくちゃ真瀬にそっくりじゃねえか。」
奴等との攻防で、皆他の人に気を取られている場合ではないのか、でっかい斧みたいな武器を持った少女と瑠依だけがそこで立ち往生していた。
ちらりと横の真瀬を見てみると、流石に驚いたのか瞳をいつも以上に見開いて、凝視している。
「....おい、真瀬。」
「ッ、なに、あれ。」
「_____早くしないと、南都さん、死んじゃうじゃん。」
「......真瀬?」
背筋に冷たいものが走り抜ける。
この、感覚は、
【........おかーさんとおとーさんが、"バケモノ"になっちゃった。
ねえお兄ちゃん、わたし、お兄ちゃんを守る為にバケモノ退治したんだよ。
______楽しかった。】
「ッ、おい真瀬!!!」
駄目だ、あの時のと一緒だ。
ライフルを構え、"真瀬とよく似た感染者"を狙う俺の妹。
本能が、あの時の思いが、真瀬を止めろと言っている
これ以上、真瀬の手を汚させたくない____!
「おい、瑠依ッ!」
奴等のうめき声と、他の奴等の銃撃音、金属音の中力一杯叫ぶと、瑠依は酷く動揺した様子で此方を振り向いた。
......動揺してーのはこっちだっつの!!
「早くソイツから離れろ!
どう足掻いたって、もうソイツはお前の妹なんかじゃない!」
「....ッ、けどお前は実の妹を殺せと言われて殺せるんか!?
七星は俺の大切な妹なんや.....!」
感情が抑えられない。
口から言葉が止められない。
「いつまでも甘えるなよ!
わからないのか!?今真瀬は、お前を助ける為に面識も何もないお前の妹を殺そうとしてるんだぞ!?
お前が妹を大切に思ってるように、俺も真瀬が大切だ!
だからこそ、お前の身勝手な我儘で、俺の妹に、ッ
........お前の大切な人の命を背負わせるな....ッ」
「っ...!」
「お前がその手で終わらせろ。
頼むから、」
______これ以上真瀬に誰かの大切な人を殺させないでくれ。
そう思ってしまう俺は、やはり甘いのだと
瑠依に偉そうに言える立場じゃないと痛感させられる。
俺はただただ、その綺麗な瞳から雫を零す瑠依は見つめているだけしか出来なかった。
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あれれ、なんだかとてもシリアス...だぞぅ
すみません、瑠依君にキツい事を言ってしまいまして......。
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椎名心音(プロフ) - まちがえた、お願いしてみます! (2015年12月13日 16時) (レス) id: fc3530dba5 (このIDを非表示/違反報告)
椎名心音(プロフ) - 話数が上限を達していてお話が入れれませんね……新しいの作りますね! (2015年12月13日 16時) (レス) id: fc3530dba5 (このIDを非表示/違反報告)
ノベルナイト(プロフ) - 椎名心音さん» 作ってみました!コピーや修正、よろしくお願いいたします! (2015年12月13日 16時) (携帯から) (レス) id: c9d0da5f55 (このIDを非表示/違反報告)
椎名心音(プロフ) - ノベルナイトさん» テンプレで大丈夫ですよ! (2015年12月13日 16時) (レス) id: fc3530dba5 (このIDを非表示/違反報告)
*ねこふとん*(プロフ) - 二十八話を修正的なことしましたm(_ _)m (2015年12月13日 16時) (レス) id: a97d112bb3 (このIDを非表示/違反報告)
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