biohazard of Japan【小説企画】 (ページ13)

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十二話渡辺美咲ページ13

「……ひまや…」

黒髪の少女が一人。

床に寝転がっていました。

小さいその子は大きな大きな銃を抱えています。

明らかに大きさのバランスがおかしいのです。

少女の身長は147cm。

M249の全長は1035 mm＝103.5cm。

差は43.5cm。

そんなに大きな銃をどうやって使うのでしょうか。

答えはありません。

なぜなら少女はそれがなかなか出来ず、苦戦しているからです。

伏射も大変です。

何よりも装填時約10kgという重い荷物を運ぶのも一苦労で、よく

「なんでそこまでそれにこだわるのか」

と聞かれます。

少女は答えません。

ですが少女は心の中に一つ約束を秘めていました。

__絶対にうちが……………

それに少女は機関銃の振動も好きなのです。

一分間に100発、200発。

最高で800発という速さで吐き出される銃弾が感染者を吹き飛ばす様子を見るのが好きなのです。

それは同時に感じることに意義があるのです。

少なくともそう信じていました。

「…あー……ほんまにひまや…なんかないんかな…」

と言って少女がもぞもぞと動き始めました。

よいしょっと立ち上がりM249の銃身を外して大きなリュックに入れました。

いま、リュックにはそれ以外何も入っていないので、重さは7.5kg。

十分重たいのですがこれも訓練。

てくてくと歩きながらもずっと、どうやってM249を上手に使うのかを考えていました。

ずっと、ずーっと考えて歩いていました。

そして人影に気づかず、どしんとぶつかってこけました。

M249を抱えたままだったのでひとたまりもありません。

「なんや！誰やねん！」

少女は怒りっぽいのです。