44話 蓬野 冬 ページ44
悠斗に押さえつけられた後、私はすぐに追いかけたけど見つかる事はなかった
「あー……いらつく」
そこで、無線機から荒々しく命令が下された
【生き残っているPhoenix全隊員に伝える!!!
一度集合場所に集まり、『特攻』の準備態勢に
なれ!!】
「わっ…特攻?相手の所に?無茶だろ…」
もう意味もない、と思いながらも集合場所へと踵を返そうとした
……が、どうやらそうはいかないみたいで
「………真瀬」
だがそれに応じず、間髪入れずに銃をぶっ放してきた
棒で受け、私も攻撃を繰り出す
戦闘中、虚ろな目には何も映っていなかった
私達を殺す事しか頭にないんだ
ギィン!!
振りかざされた銃を棒で迎え撃つ
「…もう、意味のない事かもしれないけど
感染された人達を戻す方法、記憶なんだって」
少し反応する真瀬
「きっと、今までの思い出だよね
それってさ、今の真瀬にも有効なのかな」
目を合わせると、そこには私が映っていた
何だ、ちゃんと映ってるじゃん
「入隊当時さ、周りを警戒してたよね、真瀬は…それはもう小動物みたいに」
対立している棒から、震えたのが読み取れる
「私が最初めっちゃフレンドリーに行った時はビビられたよ!お姉さんショックだったぞ〜w」
力が緩まる
「でも段々甘えてきてくれて…飼い始めのペットに好かれていくってこんな気分なんだなって」
もう、力を入れるまでもないや
「マシュマロの話になると目を輝かせて語ってたよねー、長い時は2時間位!」
ガシャン
「それからはもう妹持った気分だったね!本当!
まさかこうなるとは!」
真瀬は俯いた
「……壊さなきゃ」
「壊さなきゃ、いけないのに」
「嫌だよ、壊したくないよ、分かんない」
「……冬、さん?」
消え入りそうな声で呟く
「……私も、殺したくないよ」
今の真瀬は、銃も捨てて丸腰状態
容易く殺す事ができる
……でも
「…ごめんなさい、冬さん」
「……駄目な妹だね」
「殺して、殺して下さい」
嫌だ
そんな意思はお構いなしに体は動く
やめて
ゆっくりと棒を持つ手が上がる
やだ
それを見た真瀬の顔は、笑顔だった
何で、そんな、やだ、やめて
でも、その手は非情にも振り下ろされた
グチャッ
……………………
あーあ
殺っちゃった、ねえ
無理だったんだよ、全員で生き延びる、なんて
悪魔が私に囁いた
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歴史筆頭カープお山田@日本史は命(プロフ) - ノベルナイトさん» 了解です! (2016年3月29日 13時) (レス) id: 24692103dd (このIDを非表示/違反報告)
ノベルナイト(プロフ) - 歴史筆頭カープお山田@日本史は命さん» 僕の蒼い記憶の試作品をコピーして、貼ってくれませんか?滝汗 (2016年3月29日 13時) (携帯から) (レス) id: c9d0da5f55 (このIDを非表示/違反報告)
歴史筆頭カープお山田@日本史は命(プロフ) - ノベルナイトさん» はい!います! (2016年3月29日 13時) (レス) id: 24692103dd (このIDを非表示/違反報告)
ノベルナイト(プロフ) - 歴史筆頭カープお山田@松陰先生命さん» カープさん、いらっしゃいますか? (2016年3月29日 12時) (携帯から) (レス) id: c9d0da5f55 (このIDを非表示/違反報告)
ノベルナイト(プロフ) - 歴史筆頭カープお山田@松陰先生命さん» 番外編の更新はいつ頃出来そうですか? (2016年1月19日 17時) (携帯から) (レス) id: c9d0da5f55 (このIDを非表示/違反報告)
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