biohazard of Japan【小説企画】第四弾

34話　元城　陵 ページ34

「風が…強くなってきましたね」

独り言を呟きながら静かにあたりを見渡すと雨が降ってきたようだった。

ポタリ、ポタリと静かに地面に水の水滴が落ちてくる。

ぬかるみを進み、滝の端を歩いた。

「…あの日も、雨でしたね」

後輩である桜と始めて出会ったのも。
まあ…お互いこんな目にあうなんて思ってもいなかったでしょうけど。

そのときだった。

「っ…！？」

足を滑らせました。

４０メートルくらいでしょうか…高いところから落ちた体は言うことを聞かずに一気に水面に落ちていく。

人間、死ぬのは案外早いようです。
感染することなく死ぬことができてよかったのかもしれません。

ザブンッ…

水面に到着。
大きな音を立てて沈む体。

反抗したら苦しむ時間が増えるだけです。
さっさと気を失って呼吸混乱で死んでしまいましょう。

歪む視界には水。

僕のことを殺めるのも水。

ああ…。

なんておかしな話でしょう。

そして、目を閉じてからは。
もう、光を見ることは無かった。


【元城 陵 事故死】
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陵は死体も見つかることが無いでしょう。
だって流されましたから()

桜はお好きにどうぞ！

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