憧れ【Valkyrie】 (ページ38)

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3人でページ38

「お師さん、Aちゃん、もう帰る時間になってきたで〜！」

影片先輩に言われて、外を見ると夕方だった。
もうこんな時間なのだと驚いてしまう。

「……そうや！Aちゃん、一緒に帰らへん？」

影片先輩が突然、思いついたように言った。

『えっ……！いいんですか…！？』

「もちろんええよ♪」

先輩と帰れるなんて、滅多にない機会。

『ぜひ一緒に帰りたいです！』

「んふふ、嬉しいわぁ。お師さんはまだ作業あるん？」

僕を見ながら嬉しそうに笑った後、影片先輩が斎宮先輩に聞く。

「ふむ……今日は、キリの良い所まで終わったからね。僕も帰るとしよう。」

「じゃあ、お師さんも一緒に帰るんやね！」

「…いや、一緒に帰るとは言ってないよ。」

「そうやのん？Aちゃん、こんなに嬉しそうにしとるのに……」

影片先輩が僕の顔を見て言い、その言葉を聞いて斎宮先輩がこちらを見た。

すると、こほんっと咳払いをして、

「……どうしてもと言うのなら一緒に帰ってあげなくもないのだよ。」

ちらっとこちらを見て言う斎宮先輩。

今の何……！？

頭を抱えてしまいそうになる。
影片先輩のギャップも凄いが、斎宮先輩のギャップも凄まじい。爆弾を急に落とされた気分になった。これがツンデレというものか……。

「Aちゃんも、お師さんと一緒に帰りたいやろ？」

『も、もちろんです……！』

影片先輩に聞かれ、必死に頷きながら答える。

「俺と一緒やね。だから、お師さん一緒に帰ろぉ〜♪」

『僕も、斎宮先輩と一緒に帰りたいです！』

影片先輩に続けて僕も言う。すると……

「……行くよ。」

斎宮先輩がそう言い、バッグと綺麗なお人形さんを持って、足早で部室を出ていく。

『はい……！』

「お師さん、待って〜……！」

影片先輩と2人で斎宮先輩を追いかける。

少しの時間だったけど……先輩たちのことをよく知ることができた日だった。

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帰り道にて

「こんなに暗いのに1人で大丈夫なのかね……！？」

『角を曲がれば、すぐそこなので大丈夫です……！』

「あか〜ん！お師さん、もう帰るで〜！！俺たちが帰れなくなってまう！」

途中まで一緒に帰るはずだったのに、僕を家まで送り届けないと心配なのか、家の近くまで付いてきました。