憧れ【Valkyrie】 (ページ32)

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講堂ページ32

あっという間に放課後になり、友ちゃん、紫之ちゃん、光くんが出るA1の講堂に来た。

『前はValkyrieのライブをここで見たんだよね……』

懐かしい気持ちでいっぱいになる。今はもうValkyrieの一員であることが嘘であるかのように感じた。

受付を通り、座席に座るとあの日の出来事が鮮明によみがえってくる。

あの時、何が起きたのかよくわからなかった。

Valkyrieを見ている時の観客の冷めた目を今でも覚えている。Valkyrieのライブの時とfine？というユニットのライブの時では観客の声援の差が凄かった。

状況がよく理解できていなかった僕でも怖かった。だけど、あの日聞いた3人の歌声は胸に響いたのだ。

講堂で初めてValkyrieを見た時のことを思い出していると、ドリフェスが始まった。

Ra*bitsはいつなのだろうかとわくわくして待つ。
3人の可愛い姿を見るのが楽しみで仕方がない。

いくつかのユニットのライブが終わり、友ちゃんたちが出てきた。3人ではなく4人。黄色の髪の可愛い人。

あれ……？

仁兎先輩……………………？

Valkyrieに所属しているはずの仁兎先輩が、なぜRa*bitsにいるのだろうか？斎宮先輩と影片先輩は知っているのだろうか……？と疑問で頭が埋め尽くされる。

でも、……今、友ちゃんたちと一緒にライブをしている仁兎先輩は何か吹っ切れたような顔をしていて、とても輝いているように見える。

何か事情があるのだろう。僕が関わっていい問題ではない。

だけど…………

Ra*bitsで頑張って輝いている仁兎先輩を応援したいと思った。