突然2 ページ25
「Aはもう帰るのですか?」
2人で廊下に出た後、司が僕を見て言う。
『そうだね。司の忘れ物を届けたし、帰る予定だよ。』
「そうなのですね!Aと一緒に途中まで帰りたかったのですが、私はLessonなので帰れません……。気をつけて帰ってくださいね。」
少し寂しそうにして言う司が可愛くて仕方がない。今度一緒に帰ろうと約束すれば、頬を赤らめて嬉しそうに笑った。
「では、また明日学校で。」
『うん、またね!!』
手を振って司とお別れをする。
後は家に帰るだけだと昇降口へと歩き始めたその時、
「あっ、Aちゃん。」
聞いた事のある声が僕を呼び止める。普通だったら、『はい、なんですか?』と軽く話すことができるんだろうが、今回は違う。
声の主が……
「この間ぶりやね。次いつ会えるかなーって思ってたんよ♪」
影片先輩なのだ。
突然のことに思考が停止する。ちょっと待て。
「Aちゃん?どないしたん?」
心配そうにして、顔を近づけてくる。
ヒュッ……。自分の顔の良さを自覚してほしい。僕の心臓がもたない。
『ぅ…、…だ、大丈夫ですよ。ちょっとぼーっとしちゃって……!あは、あはは……。』
頑張って平然を取り繕って先輩と話す。正直、内心バクバクで大変な状況である。
「んあ〜。Aちゃん、なんか危なっかしいなぁ……。俺、心配してまう…。」
心配と言って少し表情を暗くする影片先輩。
少ししか会っていないのに、ころころ表情を変えて見せてくれる。
しかも……僕の心配をしてくれているのだ。
嬉しい……。司の時もそうだったけど、本当にカメラを持ってくればよかったと後悔する。
『でも、そんなに僕危なっかしいですかね……?』
「うん、この前は倒れたし、今はぼーっとしとるからまた倒れそうで……。大丈夫ならええんやけど……。」
まぁ、また倒れたらおれが保健室急いで連れていくし、安心してえぇから。と先輩は言う。
イケメンだ……。
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かの(プロフ) - 早く続きが見たいです (2022年9月16日 0時) (レス) id: dd2e4eaf70 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もか* | 作成日時:2022年7月16日 18時