憧れ【Valkyrie】 (ページ19)

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吸血鬼ページ19

『えっと…その…、一応…。…人ですか…？』

震える声で棺から出てきた男の人に尋ねる。

「ふむ、吸血鬼と名乗っておこうかのう。」

吸血鬼という言葉に驚きつつ、友ちゃんが変な人には気をつけろと言っていた理由がわかってきた気がした。

どうしようかと思ったその時、

「こんにちは〜！朔間先輩♪」

「あれ…？Aくん？」

ドアの前に元気に挨拶するひなたくんとこっちを見て驚くゆうたくんがいた。

僕は急いで2人の後ろに隠れ、吸血鬼？さんを見る。

でも、朔間先輩って呼ばれてるってことは2人の部活の先輩だったりするのかな…。悪いことしちゃったかも…。

「朔間先輩、もしかしてAくんを怖がらせちゃいました？」

「うむ、反応がとても可愛かったから怖がらせてしまったかもしれん。」

「ですよね〜♪Aくん、反応が可愛くて弄りたくなっちゃうんです。」

僕のことを話しているんだろうけど…可愛くはないと思う。

だって、紫之ちゃんと友ちゃんの方が可愛いんだよ…。涙目で手を握っててほしいって言ってくっついてくるんだから、と心の中で紫之ちゃんと友ちゃんの可愛さをプレゼンをする。

「ところで、Aくんは何か用があって来たのではないのかえ？」

そう言葉をかけられ、ここへ来た目的を思い出す。

『あっ、えっと…ナイツの練習場所って何処か分かりますか…？』

「ほう、Knightsの練習場所…。うむ…。今日は防音レッスン室ではないかのう。」

『防音レッスン室？』

どこにあるんだろう…と考えてしまう。

朔間先輩？が実際に行った方がわかりやすいじゃろと言って、ひなたくんとゆうたくんを近くに呼び何かを伝えていた。

「途中まで葵くんたちが案内してくれるから安心するとよい。」

「「はーい、俺たちがAくんを案内するよ〜♪」」

2人が元気に手を挙げて言う。

『ありがとう…！』

僕は2人に防音レッスン室まで案内してくれることに感謝する。

そして、朔間先輩？と呼ばれている先輩は怖い人かと思っていたが、優しい先輩なのだと知った。