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「どうだ、ブラックトリガーの扱いには慣れたか?」

訓練が終わると迅さんはいつも
自販機で買った飲み物を手渡してくれて軽く会話をする
そしてその時の私が飲みたいと思ったものを渡してくる
今日は少し甘めのカフェオレ

『このブラックトリガーすごく便利だけど
 なんでもできるから
 逆にどう使っていいか分かんないよ
 迅さんみたいにサイドエフェクトもうまく扱えないし』

サイドエフェクトを持ちブラックトリガーを使う私達は
どこか似たような感覚を持つ時があった
でも彼は私以上になんでもできて
やっぱり違うのだと思う
それをいつも繰り返している

「そうだなぁ、俺のは常時使ってるけど
 お前のはそこの調節ができるからな
 ブラックトリガーもシューターと似た使い方するの
 勿体無い感じするな」

どうしたものかと悩み続けても答えはでない
それは多分迅さんも思っている
サイドエフェクトをしっかりと使い始めて
もう4年ほど経つ
それでも完璧に使いこなせない
それはブラックトリガーも同じだった
それでも諦めきれない思いもきっと迅さんと同じ

「サイドエフェクトは使いすぎるなよ」

『大丈夫だよ、
 戦闘の時くらいしか使わないようにしてるから』

そう言って笑えば迅さんは困ったように笑って
頭をぐしゃっと撫でた
『ボサボサになるよ!』と言えば
また悲しそうな顔をして笑った

自称実力派エリートで
いろんなところから声をかけられる迅さんは
訓練が終わっても玉狛支部の方には戻れないようだった
そんな彼を見ているとどうしても自分の進路に悩む

「いくらでも悩めよ
 未来は無限に広がってる」

そう言って励ましてくれる迅さんに
『ありがとう』と伝え訓練室を出た

迅さんといる時間は学校やボーダーの人達と
関わる時とは違う空気感があってそれが楽しかったりする
未来の見える迅さんに作った笑顔を向けたって
意味はないと分かっているからか
あまり苦しい感じがしない

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作者名:lei | 作成日時:2023年9月15日 23時

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