夜明けが希望でありますように (ページ41)

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いい未来の可能性ページ41

私のブラックトリガーは扱いが難しい
頭の中で考えたことがそのまま再現できる
それが私のブラックトリガーの能力だった
スコーピオンのような剣を作ることも
シューターのように弾を作ることも
シールドを作ることも足場を作ることも
作り出したものにどれくらいトリオンを込めるのかも
想像できればなんだって出来るのだ
空間認識能力に想像力、周りを客観視する視点
1度に複数のことを行う並列処理能力もいる
私には足りない力が多すぎる
だから実際に見たことのあるシュータートリガーの
真似をした使い方しかできないのだ
ただ私にあったのはトリオン可視化のサイドエフェクト
トリオンの量が色で識別できる
見ただけでどれくらいトリオンを使っているのか分かる
それはこのブラックトリガーと相性が良い
自分の作り出したもののトリオン量が
分かれるというのは
このブラックトリガーを使うのなら欲しい能力だった

「アステロイド、メテオラ、ハウンド
　バイパー、スコーピオン
　それ意外に入れたいのある？」

『旋空使ってみたいのはあるかな
　あとグラスホッパー…とか』

「いいねぇ全部入れてみよっか」

宇佐美さんがセットしてくれたトリガーを
訓練室の中で起動した
ブラックトリガーとここまでは
なにも変わるところはない
赤色の動かない標的が現れ
「感覚が掴めるまでそれを相手にしてね」
訓練室に宇佐美さんの声が響いた

キューブを作り割って弾道を引いて撃つ
腰に添えている弧月を振るったり
スコーピオンの形を変えたりして
赤色の的を仕留めていた
アステロイドはいつもと変わらず使えたけれど
ハウンドやバイパーはそう簡単に扱えるものではなかった
いつもならしていないキューブの分割も
慣れるまでには少し時間がかかりそうだった

『弧月って想像より重いんだね』

「結城はシューター用のトリガーと
　スコーピオンを組み合わせた
　オールラウンダー寄りみたいだな」

感覚に慣れるまでの30分程度
ノーマルトリガーを使い続けた
ハウンドやメテオラ、バイパーといった
特殊な性能を持つトリガーも
戦闘で使えるほどではないけれど扱えるようになった
ログを見た時のイメージと
実際に自分が使った時の難しさは想像以上だった
出水や加古さん、那須さんといった
ボーダーでトップのシューターの凄さが分かった