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「雨宮は対人訓練ってするのか?」

放課後廊下を歩いている時村上から聞かれた質問だった
これでも一応ボーダー隊員で任務も任されることがある
ただ村上の聞きたいのはそんなことではないと
すぐに分かった

『うん、まぁネイバー以外にも
 戦わないといけない時がくるかもしれないからね』

「俺達は模擬戦やランク戦があるが
 雨宮の相手は誰がするんだ?」

『迅さんだよ』

「あぁ!そうか」
納得したように笑う村上は
少し妹と似ているように見えた

ボーダーへの道を歩きながら前の方を歩く生徒の後ろ姿が見覚えのあるもので心の中であぁ、嫌だと呟く
斜め前を歩く水上の顔は見えないけど
声をかける気がないのか黙ったままだった

「おい、疲れてんのか」

いきなり振り返ったかと思ったら
そんなことを言い出した影浦に
どういうことなのかと思いながら
『ううん、疲れてないよ』と返す
頭の上から笑うような声が聞こえて見上げれば
少し口角を上げる水上がいた

「歩くん遅いってことやろ、な?カゲ」

『水上も変わんないでしょ』

「疲れてねぇなら行くぞ」

前を向く時「お前に合わせたってんねん」
そう小さく呟く声は
聞こえていないとでも思ったのだろうか
その言葉だけでこんなにも
心臓がうるさくなるというのに
なんて残酷な人なんだろう

ボーダーについてからは
それぞれ行く場所へと散らばっていく
所属部隊のない私でも一応行く場所はある
「ほな、またな」
いつもより機嫌良く見えた水上は
そう言って立ち去っていった
隊室へ向かったみんなとは逆の方へと歩いて行く
本部の廊下を歩いていれば
前から近づいてくる青のジャージに軽く頭を下げた

「お疲れ、仮想訓練室でいいな?」

その言葉にコクリと頷いた

移動した仮想訓練室の中には風刃を持つ迅さんと
ブラックトリガーを起動させる自分だけ
お互いS級同士戦える相手は
ボーダーの中には数えられるほどしかいない
しかしいざという時ブラックトリガーを持つ私達は
戦えなくてはならない
その時のために迅さんとは週に3日程度
訓練に付き合ってもらっている
ブラックトリガーという珍しいものを見ようと
観戦していた人もいたけど
ブラックトリガーのハイレベルな戦いは
恐怖を感じる人もいたようで
今は人からは見えずらい仮想訓練室で行い
トリガーや戦闘に興味のある宇佐美さんや
武富さんを中心とした人しか来ることがなくなった

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作者名:lei | 作成日時:2023年9月15日 23時

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