夜明けが希望でありますように (ページ21)

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よく分からない人物ページ21

B級ランク戦が始まりB級の部隊は忙しくなったようで
防衛任務の入る回数が増えた
毎週水曜と土曜に行われるランク戦に向けて
策を考える人、技を磨く人とそれぞれで
3-Cのボーダー隊員はその話題で持ちきりだった
しかし私はというと防衛任務の回数が増えたことで
遅刻や早退が多くなった
特に早朝や深夜の任務を請け負うことが増え
授業中に眠ってしまい影浦に起こされることもあった
早朝や深夜の任務は誰もが嫌がる時間帯で
ランク戦の始まったB級隊員には
あまり任せてはいけないような感じがした
そんな時に2日間の休みが入ったからか
気が抜けてしまったらしい
朝目が覚めた時には2限が終わったくらいの時間で
少し寝不足で痛む頭を抱えて担任に連絡を入れた
一般の高校生に比べて
関わりの少ないボーダー隊員であっても
教師とのコミュニケーションは大事らしい
「ここ最近大変そうだったからな、気をつけて来いよ」
そう言ってくれた担任には感謝しかない

3限に間に合わないことはもう分かりきっていたから
ゆっくりと時間をかけて準備をした
朝から学校に行かなくてもいい
そう考えるだけで少し心が楽になる
音を立てて階段を下りるのは久しぶりな気がした
この時間に朝食を食べるなら
昼食はいらないかと思ったけど
軽く食べれるものを詰めバックに入れた
バックの中はいつもの半分くらいしか
教科書は入っておらず異常なほど軽く感じた

学校に着いてすぐ職員室に顔を出せば
担任の方から声をかけられた
1年から3年まで持ち上がりずっと変わらない
担任との会話は適当に済ませれるようになってきた
「あ、そうだ。
　ちょっと頼みたいことあるんだけど良いか」
また雑用だろうかと思い
『なんですか？』と返せば申し訳なさそうに
「6月下旬から水泳の授業始まるだろ？」
そこまで言ってなるほどと自分の中で納得した

『良いですよ、プール掃除ですよね』

誰に頼んでも嫌だと断られることの多いプール掃除を
快く引き受けてくれる生徒などあまりいないのだろう
担任は「ありがとなぁ」と安心したように笑った