夜明けが希望でありますように (ページ13)

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視界の端に映る姿ページ13

ボーダー内ではB級ランク戦に向け
B級の部隊が訓練に集中する中
関係のない私は迅さんと訓練をして
遅くまで本部に残る生活を繰り返していた
教室を飛び出した日から前に比べ
水上と話せるような仲になったのではないかと
思っていたけどランク戦期間中は
あまり会話ができないでいた

ランク戦前には訓練のために
ランク戦ブースに来る隊員と
ランク戦のために技を隠そうとする人の2通りで別れる
基本は後者なことが多いが
ジッと黙っていられないような人にとっては
人が少し減るこの時期は嬉しいものなのかもしれない
ランク戦ブースを使えない私は
ほとんどここに来たことがない
だから今日ここに来たのは本当にたまたまで
あんな光景を見ることになるなんて思ってなかった

息抜き程度に行ってノーマルトリガーを
見てみようと話した迅さんに連れられ
ランク戦ブースへと向かった
迅さんといる時はブラックトリガーや
サイドエフェクトの話しが多く今回も同じだった

「基地内にいるとつらくならない？」

トリオン可視化のサイドエフェクトを持つ私は
体内のトリオンや基地の壁に使われているトリオンなど
目視しただけでは見ることのないトリオンが見える
トリオン量が多いほど黒く
少ないほど薄い緑色に色彩が変化する
見る範囲を絞れば僅かなトリオンの流れを
見ることができるくらいは使えるようになった
前に1度だけ林道支部長から
このサイドエフェクトがもっと扱えるようになれば
シュータートリガーの弾道や旋空の伸びる刀身が
攻撃前に見えるようになるのではないかと
言われたことがあった
今となってはサイドエフェクトを使う時と使わない時を
分けられるようになったが
コントロールができなかった頃は
いきなりの視界の変化になかなか慣れずにいた
今は気を張っていることが多く
そんなことはあまりないけど
サイドエフェクトを使い続けるのは
体への負担が大きすぎた
林道支部長が言うように使うには
血反吐を吐くような努力がいるだろう

『今日はほとんど使ってないから大丈夫』

トリオンの使われている基地を
サイドエフェクトで見てしまえば
大変なことになりそうだと考えただけで怖くなる