かわいいあの子【千切豹馬】 (ページ2)

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本当にあいつは毎日話しかけに来た最初は適当にあしらってたが適当に答えると余計突っかかってきた

「ねぇ、逆に聞きたいんだけどさ鰐間兄弟のどこが良かったんだ？」

「…可愛いですよね、あの人たち」

かわいいですよね

カワイイデスヨネ

耳を疑った

「ガチで言ってる？正気？」

「もう今は可愛いと思えませんけど」

「いやいやいや1000歩譲っても絶対俺の方がかわいい!!!」

「可愛いは人それぞれですよ」

「ちなみに聞くけど鰐間兄弟のどこが可愛かったんだよ」

「ムキになってたとこですかね貴方が入った途端嫉妬丸出しでしたからねだけど貴方がその足を壊した途端ただのウザイ輩にしか見えなくなりました」

(わからん、こいつの可愛いポイントわからん…)

「面白い通り越してもはや恐怖だわ、お前」

「お褒めいただきありがとうございます？」

(褒めてねぇよ…)

こんな感じで俺たちは知り合い以上友達未満の不思議な関係を築いていった

そんなある日
大抵俺が校舎から部活の様子を見ているとあいつがやってくるだけど今日は違ったいつまで経ってもあいつは来ない

(別にあいつを待ってるわけじゃねえけど…)

何となく心がざわついて探しに行ってみた

(てかあいつって何組だっけ…)

毎日のように話してたのに俺はあいつのこと全く知らなかったと気づいた

適当に廊下をぶらぶら歩いていると話し声が聞こえた

声がする方の教室を覗いてみると

「ねぇ、あんた最近千切くんと仲良すぎじゃない？」

「…」

(なんか面倒な事に絡まれてんな…ここで俺が出ればもっと厄介になりそうだし…)

どうするべきかと悩んでいるとパンッと音がして見るとあいつはビンタされていた

「なんか言ったら？」

「…」

あいつは何も言わない、ただ冷めた目で相手を見つめてる

「その目イラつくんだよ!!」
また手を振りかざそうとした時これは不味いと俺は止めに入った

「っ！千切くん！どうしてこんなとこに…」

「別に、こいつ探しに来ただけ」

「…ねぇ千切くん、なんでそんな子と関わってるの？」

「お前に関係ないだろ、行こA」

そう言って俺はAの手を掴んで教室から出た

あの女は嫉妬で怒り狂ったような目であいつを睨んでいた