125 ページ25
「ああ〜・・・帰れない」
またきた道を戻るだけなのに、すでに1時間は経っていると思う。
近道かもと思い、裏道に入ったのがまずかった。
道が幾重にも重なっているせいで、大通りに戻ることも困難になっていた。
携帯がないとなにもできないなんて、私も随分と現代っ子になっていたようだ。
諦めて道端に座ろうと、いい感じの場所を探そうとした時、後ろから肩を掴まれた。
「ひっ・・・」
いきなりのことで驚いて変な声がでる。こんなとこにいるなんてまさか不審者。
いやそれを言ったらキョロキョロと同じ道を何度も行き来する私も大概不審者だ。
「なにやってんの」
「・・・はあ、ジョングク君か」
「こんなとこで予定があるんですか」
少し怒っているように見えるジョングク君、
「ごめんね、途中でいなくなって」
「それはいい。予定があるんですかって聞いてるんだけど」
「・・・ないです」
「ヒョンに会ったからでしょ？」
的確に貫かれる、動揺を隠せず目が左右に散らばる。
「あー・・・そうなんだけど、そうじゃないっていうか」
「嘘、やだって言わなかったっけ」
「言いました」
「じゃあ嘘つかないで」
「わかりました」
「はあ・・・、もういいよそんな怖そうにしなくて。
わかればいい」
「ごめんなさい」
「いいって言ったの聞こえなかった？」
「聞こえました」
「その顔見たら大体何があったかわかるから、」
「う、ん。折角やってもらったんだけど、こんなんなっちゃった笑」
「笑わないでいいよ、帰ろ。腹減った」
ジョングク君は何も聞かず、何も求めずただ側にいてくれる。
ジョングク君に優しくされるたびに、私の中の罪悪感は日増しに大きくなっていく。
付き合ってしまえば、
そんな身も蓋もないことが頭に浮かぶ。
だめだ、そうやってまた甘えて。傷つくのはきっとジョングク君だ。
どうして私のせいで彼が傷つかなきゃいけないんだ。
「・・・すっげー腹立つ」
「えっと、
やっぱり怒ってるよね・・・すいませんでした」
考え事で頭がいっぱいになりながら、ジョングク君のその言葉だけがはっきりと聞こえた。
「違う、お前にじゃなくて」
「えーと、なら」
「・・・その髪、似合ってるから」
こちらを見ずに頭に乗せられた手は少しだけ乱暴だった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 293人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
●(プロフ) - alexandrite_bbcさん» なんでいつもそんなに嬉しいこと言ってくれるんですか！笑 本当にありがとうございます！ (2018年2月18日 0時) (
レス) id: a074edcd70 (このIDを非表示/違反報告)
alexandrite_bbc(プロフ) - ●さん» じっくり読み返してつくづく思ったのですが、このお話、本当に名作だと私は思っています^^私、twitterでも占ツクでもかなりの数のお話を読んでますが、本当に素晴らしい作品だと思っていますのでこれからもじっくり読ませていただきますね^^ (2018年2月16日 16時) (レス) id: 35241c8ff2 (このIDを非表示/違反報告)
●(プロフ) - alexandrite_bbcさん» いつも本当にありがとうございます！少し物語をサラサラ〜と進めすぎた感じが否めませんが、ここからどうにか頑張ります 笑！ (2018年2月16日 14時) (レス) id: a074edcd70 (このIDを非表示/違反報告)
alexandrite_bbc(プロフ) - 1から読み返して来ました^^テテ、どうなるのかな？更新とても楽しみに待っております^^ (2018年2月16日 12時) (レス) id: 35241c8ff2 (このIDを非表示/違反報告)
alexandrite_bbc(プロフ) - 胸がぎゅっと苦しいのがずっと続いてます( ；∀；)はぁ...どうなるのかな…更新楽しみに待っております！！ (2017年12月10日 6時) (レス) id: 1a1f2fe310 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：● | 作成日時：2017年12月3日 20時
