5 ページ5
嫌になる程、毎日は規則正しくやってくる。
せっかくの休日も8時に目が覚めたせいで、今日はとても憂鬱だった。
いつもなら今日はこれして、それしてと嬉々として早起きを喜べるのに。
目を瞑るたびに広がる昨日の光景が嫌になり、適当に揃えた格好で外に出た。
意味もなく来たショッピングセンターでは、家族連れが幸せそうに笑っていた。
ショーウィンドウにうっすらと映る自分から放たれる不幸せオーラに困ったように笑った。
咄嗟にその場から逃げ出したくなって、氷点下を下回る外に出た。
人通りの少ない裏路地をただ闇雲に歩いた。
静かなところに来たのは失敗だったかもしれない。
喧騒の中にいた時よりも、色々なことを考えてしまう。
少し開けた道に小さな公園を見つけた。
もう帰るよと母親に手を引かれる子供が反対の手でこちらに手を振った。
「バイバイ」
もう会うこともないだろうその子に向けられた別れのセリフがとても悲しかった。
ベンチに座ると、ひんやりとお尻が冷たくてまくられたコートをお尻まで伸ばした。
「あれ、えっとAさん？だっけ？」
急に呼ばれた名前に振り返ると、既視感を感じる顔があった。
「あ、お久しぶり？です」
テヒョナとのデート中に一度だけ会ったことのあるこの人は、確かジミンさん
「ここら辺に住んでたの？」
「はい、ここから歩いて1時間くらいです」
「それはここら辺って言わない笑
テヒョナとの約束？」
「・・・ははっ、ただの散歩です」
なぜだか少しだけ笑えてしまった。何をしてもテヒョナにつながる自分が惨めだった。
「もう、会うこともないんです笑」
吐いた息は白くなった。
「・・・別れた、の？」
遠慮がちに尋ねてくるジミンさんの眉は下がっていて、少し申し訳なくなった。
「はい、昨日。ていうか今日？そんな顔しないでくださいよ笑」
「・・・そっか」
ジミンさんはここいい？とわたしの隣を指差して、マスクを少しだけ下げた。
「マスクとっちゃダメですよ、大騒ぎになります」
「ここは俺のお気に入りなの、今までバレたことないから大丈夫」
「そうですか」
そのままどちらも何も言わないまま時間が経つ。
気まずい空間が嫌で立ち上がった。
「じゃあそろそろ帰ります」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 271人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
●(プロフ) - alexandrite_bbcさん» 主人公を不幸にしたがる癖が発揮されちゃってますね 笑 読んでくださって本当にありがとうございます！！ (2018年2月16日 14時) (
レス) id: a074edcd70 (このIDを非表示/違反報告)
alexandrite_bbc(プロフ) - 胸が苦しいです...ああ、ほんとつらい；；；；更新楽しみに待っております^^ (2018年2月16日 10時) (レス) id: 35241c8ff2 (このIDを非表示/違反報告)
●(プロフ) - ひなさん» 返事遅くなってごめんなさい！そんなこと言ってくれるんですか？笑 最高に嬉しいすぎます。ありがとうございます！！ (2018年1月25日 19時) (レス) id: a074edcd70 (このIDを非表示/違反報告)
ひな - 前回のやつも見ました〜！ 最高で涙とまりませんw更新まってます^^ (2018年1月2日 19時) (レス) id: 6372a6615d (このIDを非表示/違反報告)
A。 - はい!ずっと読みますよ!!!w (2017年12月30日 7時) (レス) id: 55b9aadcae (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：● | 作成日時：2017年11月25日 0時
