5 ページ5
さっききつく閉めたバスローブを脱ぎ、元々着ていた服に着替え、コートを羽織った。
普段は気にならないことが今日はこんなに気になるなんて、どうかしてる。
やっぱりちょっとお酒飲みすぎたかな、
「あれ？なにしてんの？帰んの？」
「うん、ごめん仕事、」
「こんな時間から？」
「接待だよ、急に呼び出されちゃって」
「それなら仕方ないけど、」
鞄の中のものが錯乱する床を足早に歩き、テテの横を過ぎようとした時、
「A、好きだよ。行かないでよ」
コートの上から掴まれた腕の温もりが時間とともに伝わってくる。
「ダメだよ仕事だもん笑」
私はうまく笑えているだろうか、
本当は今にも足の力が抜けてしまいそうだった。
「なんか今日変、やっぱなんかあった？」
「何もないよ、お酒飲みすぎただけ」
もう片方の手でテテの指を一本一本離していく。
お願いだから、早く離して。
じゃないと、もうあなたに会えなくなっちゃう。
「じゃあまた、」
A！と呼ぶテテの声を無視して、玄関のドアを閉めた。
「...っ、」
ドアの前にもたれこみ、声を出さないように泣いた。
辛いよ、テテ。私今こんなに辛いよ、
折れた膝の上に自分の涙が溜まっていく。
それを隠すように顔を埋め、小さくあなたの名前を呼ぶけど、やっぱり脳に響くだけで返事はなかった。
テヒョン今度Aんち行っていー?
あれから初めてのテテの連絡が来たのは、仕事終わりの電車の中だった。
いきなり家に来たいって何かあったんだろうか？という怪訝な気持ちとは裏腹に私の心は舞い上がっていた。
Aいいよ、いつがいい?
バレないように、少し時間を置いてから返す。
いつか誰かが歌ったあの歌のように、甲斐甲斐しく駆け引きをする自分に笑ってしまう。
テヒョンマジ?じゃあ5日は?
Aオッケー、仕事終わったらまた連絡して
5日ってことはあと1週間か、
何かご飯でも作ってみようかな。
未だに少しでもよく見せたいなんて思うのは、あなたのことを心底好きになってしまったからかな。
Aご飯食べる?何がいい?
テヒョンお、作ってくれんの?じゃあねートッポギ!
Aトッポギだけ?笑
テヒョン後はAに任せる
久しぶりに胸が踊った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1151人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
●(プロフ) - ぐう 大好きさん» ありがとうございます！！そう言っていただけるととてもがんばれます！: ) (2017年11月22日 0時) (
レス) id: a074edcd70 (このIDを非表示/違反報告)
ぐう 大好き - 面白いです！これからも、更新頑張ってください！ (2017年11月20日 14時) (レス) id: fb77e59d2e (このIDを非表示/違反報告)
alexandrite_bbc(プロフ) - 描写がとても綺麗な文章で映画のワンシーンの様でした。とてもとても素敵なお話ですね。これからも更新楽しみに待っております(*^ω^*) (2017年11月10日 19時) (レス) id: 1a1f2fe310 (このIDを非表示/違反報告)
●(プロフ) - alexandrite_bbcさん» 惹き込まれるなんて褒め言葉が過ぎて、バンザイで喜んでます！読んで下さって本当にありがとうございます！！ (2017年11月9日 11時) (レス) id: a074edcd70 (このIDを非表示/違反報告)
alexandrite_bbc(プロフ) - 惹き込まれてしまいました。更新楽しみに待っております。 (2017年11月8日 11時) (レス) id: 1a1f2fe310 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ファサファサ翼 | 作成日時：2017年10月24日 22時
