32-TH- ページ31
「・・・でももう遅いんだってわかってるよ。
拒絶されて、もうAを好きでいることできないって思ったら、どうしたらいいかわからなくなった。
忘れたらいいって言いたいのもわかってる、全部わかってんだよ。
でも、・・・全部が受け止められないんだよ」
そこまで言うと、今度こそジミナは拳を振り上げた。
殴られる。
咄嗟に手を瞑ったが、いつまでも衝撃がやってこない。
薄く目を開くと、ジミナの手が弱々しく俺の頬を叩いた。
殴るなんて言葉が合わないほど、弱々しいそれにジミナの怒りや悲しみ、感情全てが入っている気がした。
突然途方も無い罪悪感に見舞われた。
ごめん、ごめんジミナ、こんなことお前に話したらいけなかった。
全て自分が楽になるために、お前のことなんて何も考えずにやった。
「・・・わかったよテヒョナ、」
「ま、って」
背中を向けたジミナがどこかに行ってしまいそうで、自然と手が伸びていた。
ああ、俺はまた自分が楽になれるように、ジミナをここから逃さないようにしている。
伸ばしかけた手がこれ以上行かないように、顔を手で覆う。
それなのに、去って行くと思ったジミナはその場に立ち尽くしたまま動こうとしなかった。
「俺、Aに告白するよ」
いつも通りの口調なのに、決意がこもった言葉が俺に重くのしかかった。
「・・・ああ」
それでいい、きっとそれがAにとって、ジミナにとって、そして俺にとって一番いいんだ。
「っ、そういうところがさ、イライラすんだよ・・・
今のお前の気持ち当ててやろうか？
ジミナかわいそう、
Aとジミナが幸せになればもういい、
こんなとこだろ？」
「ちがっ「ちがくないだろ？俺がかわいそうだからお前は今そう思って、それなのにちょっと経ったらまたAを思い出してさ、
どうしようどうしようってまたそうやって、」
「欲しいなら欲しいって言えよ。怖いってなんだよ。なんで欲しいものがそこにあって、手を伸ばせば届くのに、指くわえていられんの？」
結局何度俺はこいつを傷つければいいんだろう。
それなのになんでこいつは、
「この前みたいに無理やりにでも押しかけろよ！何度だってやってみろよ！」
なんでそんなに俺に優しいんだ。
そんなジミナが小さく「なんでお前なんだよ」と言ったのが、心にズシンと乗りかかった。
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●(プロフ) - ぐう 大好きさん» ありがとうございます！！そう言っていただけるととてもがんばれます！: ) (2017年11月22日 0時) (
レス) id: a074edcd70 (このIDを非表示/違反報告)
ぐう 大好き - 面白いです！これからも、更新頑張ってください！ (2017年11月20日 14時) (レス) id: fb77e59d2e (このIDを非表示/違反報告)
alexandrite_bbc(プロフ) - 描写がとても綺麗な文章で映画のワンシーンの様でした。とてもとても素敵なお話ですね。これからも更新楽しみに待っております(*^ω^*) (2017年11月10日 19時) (レス) id: 1a1f2fe310 (このIDを非表示/違反報告)
●(プロフ) - alexandrite_bbcさん» 惹き込まれるなんて褒め言葉が過ぎて、バンザイで喜んでます！読んで下さって本当にありがとうございます！！ (2017年11月9日 11時) (レス) id: a074edcd70 (このIDを非表示/違反報告)
alexandrite_bbc(プロフ) - 惹き込まれてしまいました。更新楽しみに待っております。 (2017年11月8日 11時) (レス) id: 1a1f2fe310 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ファサファサ翼 | 作成日時：2017年10月24日 22時
