29-JM- ページ29
撮影が終わり、次の仕事まで2時間ほど時間が空いた時、テヒョナの姿が見えなくなった。
Aのとこ？まさか。2時間しかない、行って戻ってくるだけでギリギリだ。
昨日朝宿舎に帰ってからテヒョナとは一言も言葉を交わしていない。
状況がそれを許さなかった。
本当は掴みかかってでもテヒョナの口から真実が聞きたかった。
でも、メンバーの前でAの話をしない、それが俺が今できる精一杯のテヒョナへの配慮だ。
結局2時間後テヒョナは普通に戻ってきて、朝まで仕事をして共に宿舎に戻った。
朝日を浴びながらみんなが寝静まったころ、テヒョナの部屋まで向かう。
「・・・起きてる？」
腕を顔に当てて、ベッドに寝転ぶテヒョナは腕の隙間から俺の顔をチラッと見て反対側に体を動かした。
「なに？」
「話がある。外、出よう」
「・・・ああ」
そう行って少しニヤッと笑うと、ベッドから起き上がり支度を始めた。
その自嘲気味な笑顔に怒りを覚えると同時に悲しさを感じた。
オートロックの自動ドアを過ぎ、自然と近くの公園に足を運ぶ。
俺の5メートル後ろをなにも言わずについてくるテヒョナはフードを深くかぶっているせいで、顔がよく見えない。
公園の入り口で外れたコートのボタンを留め直していると、俺の横を過ぎ去りテヒョナはベンチに座った。
なんとなく隣に座るのが嫌で、横のブランコに腰掛ける。
「で、なに？」
「わからないって顔じゃないよ」
昇って行く朝日のおかげでフードな影が消え、はっきりとテヒョナの顔が見えた。
「・・・俺からAを取らないでよ」
一度唾を飲み込み、俺の方を真っ直ぐ見つめながらテヒョナは小さく呟いた。
「お前のじゃないよ。もうやめてやれよ、これ以上何が欲しいの？
・・・もういいだろ」
「よくないから言ってんだろ」
あまりに聞き分けないテヒョナに怒りを通り過ぎ、呆れた。
「無くなってから気づきました、とでも言いたいの？
Aが限界だって、お前が一番わかってたんじゃないの？
なんでお前がそんな苦しそうにすんだよ、なら始めからもっと大切にしてやればよかったんじゃないの？」
「・・・あぁ」
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●(プロフ) - ぐう 大好きさん» ありがとうございます！！そう言っていただけるととてもがんばれます！: ) (2017年11月22日 0時) (
レス) id: a074edcd70 (このIDを非表示/違反報告)
ぐう 大好き - 面白いです！これからも、更新頑張ってください！ (2017年11月20日 14時) (レス) id: fb77e59d2e (このIDを非表示/違反報告)
alexandrite_bbc(プロフ) - 描写がとても綺麗な文章で映画のワンシーンの様でした。とてもとても素敵なお話ですね。これからも更新楽しみに待っております(*^ω^*) (2017年11月10日 19時) (レス) id: 1a1f2fe310 (このIDを非表示/違反報告)
●(プロフ) - alexandrite_bbcさん» 惹き込まれるなんて褒め言葉が過ぎて、バンザイで喜んでます！読んで下さって本当にありがとうございます！！ (2017年11月9日 11時) (レス) id: a074edcd70 (このIDを非表示/違反報告)
alexandrite_bbc(プロフ) - 惹き込まれてしまいました。更新楽しみに待っております。 (2017年11月8日 11時) (レス) id: 1a1f2fe310 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ファサファサ翼 | 作成日時：2017年10月24日 22時
