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陽の光が眩しくて目が覚めた。
ベッドの下でもぞもぞと動くものに驚いて覗くと、タオルケットにくるまって小さく寝ているジミナ。
寒かったよね、ごめんね。自分にかかっている毛布をジミナに掛け直した。
暖房をつけて、コーヒーメーカーをセットする。
買ったはいいものの、結局まだ一度も使っていないそれが役に立つ日が来てよかった。
「・・・起きたの？おはよ」
毛布にくるまりながら、私の背中に声をかけたジミナの顔がうまく見れない。
昨日ごめんって一言言うだけなのに、言葉に出したらまた全てが溢れ出てしまいそうだった。
「コーヒー、飲む？今日初めて使ったんだ」
「ありがと、もらう」
何も言わないジミナの優しさに甘えさせてほしい。
「今日仕事は？土曜だとなんかイメージ忙しそう」
「うん、昼から明日の朝まで仕事」
「大変だ。じゃあ今は寝たほうがいいよ、昼前になったら起こすから」
「大丈夫、コーヒーの方が飲みたい」
優しすぎるよジミナは。優しすぎて、それが痛いくらいだ。
「・・・そっか、砂糖とミルクは？」
「入れる。ねえA」
「ん？」
落ちていくコーヒーの雫を眺めながら答えた。
「こっち見てよ」
「うん、これ終わったらね」
「A、こっち見て」
「うん、見る見る。終わったらね」
後ろから伸びて来た両手が頬を覆ったかと思うと、ぐるんと後ろを振り向かされた。
「・・・ほら、泣いてる」
「泣いてないよ。泣いてないから、大丈夫だから、・・・今は何も言わないで」
「うん、わかった。けどちゃんとこっち見て。1人は俺もやだよ」
「ん、ごめん」
二杯分のコーヒーが落ちきり、それをカップに注いだ。
２つでハートが完成されるマグカップは、テテと出会ったばかりの頃買ったもの。
あの頃はバカみたいに、これからのことなんて想像して一人張り切ってた。
付き合ってもないのに、
一発殴ってやりたいくらいにバカだ。
「ごめんね、これしかなくって」
ジミナに渡したカップはまだ真っさらに綺麗なのに、自分の持っているカップだけ少し汚れていることが恥ずかしかった。
「こっちばっか使っちゃってさ笑そっちはまだ使ってないから、」
使われることのなかったそれも、送られることのなかった引き出しのプレゼントも全てが悲しい。
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●(プロフ) - ぐう 大好きさん» ありがとうございます！！そう言っていただけるととてもがんばれます！: ) (2017年11月22日 0時) (
レス) id: a074edcd70 (このIDを非表示/違反報告)
ぐう 大好き - 面白いです！これからも、更新頑張ってください！ (2017年11月20日 14時) (レス) id: fb77e59d2e (このIDを非表示/違反報告)
alexandrite_bbc(プロフ) - 描写がとても綺麗な文章で映画のワンシーンの様でした。とてもとても素敵なお話ですね。これからも更新楽しみに待っております(*^ω^*) (2017年11月10日 19時) (レス) id: 1a1f2fe310 (このIDを非表示/違反報告)
●(プロフ) - alexandrite_bbcさん» 惹き込まれるなんて褒め言葉が過ぎて、バンザイで喜んでます！読んで下さって本当にありがとうございます！！ (2017年11月9日 11時) (レス) id: a074edcd70 (このIDを非表示/違反報告)
alexandrite_bbc(プロフ) - 惹き込まれてしまいました。更新楽しみに待っております。 (2017年11月8日 11時) (レス) id: 1a1f2fe310 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ファサファサ翼 | 作成日時：2017年10月24日 22時
