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現場に入るともう撮影は始まっていて、新人君に早く早くと手を振られた。
「ごめん、ちょっと話長くなっちゃって」
「俺は別にいいですけど、あのテヒョンさんですよね？あの人Aさんのこと探してましたよ」
「・・・そっか、うん。ありがと」
テテが私を探すなんてなんだろう。
怒られるのかな、勝手なことばっかりしやがってとか、
怒られるのはやだな。ていうかテテが怒るなら私だって怒ることがたくさんある。
それをちゃんと綺麗にまとめて、別れてやったんだから感謝の１つや２つして欲しいくらいだ。
心の中ではそんな悪態をついているのに、視線が向かう先にはいつもテテがいた。
テテが笑うたびに、笑わないでよなんて思った。
私がいなくなっても平気で笑っていられるテテが恨めしかった。
「A！」
急に呼ばれた自分の名前に肩が上がる。
撮影中なのにも関わらず大声で名前を呼び、こちらを見ているジミナにみんなの視線が集まっていた。
「は、はい」
一応みんなの前ということもあり、できるだけ業務的に答えようと返事をした。
眉を下げながら笑ったジミナは口パクで何かを言っている。
「あれ、なんか言ってません？」
そんな新人君の発言よりも、今はジミナが何を言っているのかが気になってただジミナの口元だけに集中した。
こ、っ、ち、み、て、て
何言ってんだあの人は。
少しだけほころんだ頬を元に戻し、
「き、も、い」
私も口パクでそう送ると、口を大きく開け、眉をひそめるジミナ
ありがとう。いつもいつも助けてくれてありがとう。
いつも不甲斐なくてごめんね、ちゃんとできなくてごめんね。
「ジミンさんと仲良しなんですね」
「うん、
大親友」
心から信頼できる一番大切な人だよ。
撮影に視線を戻した。
次はちゃんとジミナだけを見てられるように、大切な人をこれ以上困らせないように。
大丈夫、テテのことはきっと忘れられる。
前向きに、前向きに。そしたらきっといい事だってある。
なのに、
ねえテテ、なんでそんな顔でこっちを見てるの。
忘れることをいつまでも許さないようにこちらを強く見つめるその視線に、胸が深く苦しくなった。
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●(プロフ) - ぐう 大好きさん» ありがとうございます！！そう言っていただけるととてもがんばれます！: ) (2017年11月22日 0時) (
レス) id: a074edcd70 (このIDを非表示/違反報告)
ぐう 大好き - 面白いです！これからも、更新頑張ってください！ (2017年11月20日 14時) (レス) id: fb77e59d2e (このIDを非表示/違反報告)
alexandrite_bbc(プロフ) - 描写がとても綺麗な文章で映画のワンシーンの様でした。とてもとても素敵なお話ですね。これからも更新楽しみに待っております(*^ω^*) (2017年11月10日 19時) (レス) id: 1a1f2fe310 (このIDを非表示/違反報告)
●(プロフ) - alexandrite_bbcさん» 惹き込まれるなんて褒め言葉が過ぎて、バンザイで喜んでます！読んで下さって本当にありがとうございます！！ (2017年11月9日 11時) (レス) id: a074edcd70 (このIDを非表示/違反報告)
alexandrite_bbc(プロフ) - 惹き込まれてしまいました。更新楽しみに待っております。 (2017年11月8日 11時) (レス) id: 1a1f2fe310 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ファサファサ翼 | 作成日時：2017年10月24日 22時
