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その時をいくら待っていなくたって、時間というのはみんなに平等で同じスピード、同じ分やってくる。
「本日はよろしくお願いします」
思いっきり息を吸った後、扉を開き周りを見る隙もなく深く頭を下げた。
集まる視線を感じるたびに、心拍数が上がって行く。
「・・・A「A！今日はよろしくね！」
「あれ？ジミン知り合い？」
「前の撮影の時もいたよ。ジンヒョン覚えてないですか？」
控えめに顔を上げると、予想以上に近づいていたジミナの体で目の前を覆われていた。
ジミナは後ろを振り返りながら話しているが、ポジションは変えない。
「・・・ありがと」
「・・・別に」
それではまた後で、と言い残すと新人君を連れてそそくさと外に出た。
「Aさん、ジミンさんとお知り合いだったんですね。言ってくれたらよかったのに」
「あー、なんかタイミング無くて」
「ていうかなんで外出てきたんですか？俺ら撮影見るくらいしか今日仕事ないですよね？」
「打ち合わせとか色々あるのー」
「この前これでもかってやったじゃないですか」
「それは、うーん、じゃあ新人君は現場戻ってて。私ちょっと話あるから後で行く」
「やった。じゃあ待ってますから、早く来てくださいね」
どこか生意気だけど愛嬌のある新人君がテテと重なった。
「・・・よし、行くか」
行くかって言っても、話があるなんてもちろん嘘で、行くあてなんてない。
撮影開始まで後15分か、
撮影が始まってしまえば、話す機会なんてほぼ無いに等しい。
とりあえずはそれまで。それまで隠れられれば。
エレベーターで一階まで降り、自販機コーナーに向かう。
わざわざ一階の自販機まで飲み物を買いに来る人なんていないだろう。
「隠れられれば、か」
隠れる必要なんてあるんだろうか。
かじかんだ手には暑すぎるココアを持ちながら、呟いた。
テテは私にこれっぽっちだって未練なんてものはない。
勝手に気にして、勝手に意識して、
私バカみたいだ
でも、テテを近くに感じてしまったら、少しだけ離れた心がまた戻る気がして。
♪〜
いきなりポケットから鳴り出した携帯の音に、鼓動が高鳴った。
「もしもし」
『Aさん、もう撮影始まりますよ！早く！』
もう一度大きな呼吸をして、頬を一度叩き、エレベーターに乗った。
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●(プロフ) - ぐう 大好きさん» ありがとうございます！！そう言っていただけるととてもがんばれます！: ) (2017年11月22日 0時) (
レス) id: a074edcd70 (このIDを非表示/違反報告)
ぐう 大好き - 面白いです！これからも、更新頑張ってください！ (2017年11月20日 14時) (レス) id: fb77e59d2e (このIDを非表示/違反報告)
alexandrite_bbc(プロフ) - 描写がとても綺麗な文章で映画のワンシーンの様でした。とてもとても素敵なお話ですね。これからも更新楽しみに待っております(*^ω^*) (2017年11月10日 19時) (レス) id: 1a1f2fe310 (このIDを非表示/違反報告)
●(プロフ) - alexandrite_bbcさん» 惹き込まれるなんて褒め言葉が過ぎて、バンザイで喜んでます！読んで下さって本当にありがとうございます！！ (2017年11月9日 11時) (レス) id: a074edcd70 (このIDを非表示/違反報告)
alexandrite_bbc(プロフ) - 惹き込まれてしまいました。更新楽しみに待っております。 (2017年11月8日 11時) (レス) id: 1a1f2fe310 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ファサファサ翼 | 作成日時：2017年10月24日 22時
