こっくりさん ページ7
｢ここだよ、ここ｣
凛に案内された場所へ着くと、私はなぜか懐かしくなるような気持ちに浸っていた。
どこか不思議な空気で、少し薄暗いけれど机と椅子などはあって、風通しもいい。
どこかの森のような…そんな場所だった。
｢ここか、よく遊んでたね、不思議なところだ｣
｢うん。そう、昔は不思議で面白がってたな、ここ…って、今はそんな場合じゃない。こっくりさんだよ｣
｢まぁ…うん、やろう。で、まず紙。そして十円玉…せーのでいくよ？｣
｢せーのっ！｣
｢｢こっくりさんこっくりさん、どうぞおいでください。おいでになられましたら、はいの方へお進み下さい｣｣
｢…凛、ここまでは順調…｣
｢あ、千咲！はいの方へ進んだよ、｣
凛に呼ばれた為、ちら、と紙の方へ目をやる。
確かに、気づいてはいなかったが徐々にはいの方へ進んでいるようだった。
｢…どっちからやる？｣
｢千咲でいいよ｣
｢…えー…と、こっくりさんの好きな遊びはなんですか｣
な わ と び
｢…え、なわとび…｣
｢意外…だな、｣
｢千咲〜、そんなんでいいの〜？…じゃ、私は！｣
｢健人くんの好きな子は誰ですか｣
…ありきたりな質問だ。
そもそも、健人とは。
春日井健人 (かすがい けんと)。
女子にモテていて、まぁなんでもできるしイケメンって感じの子だ。
もちろん、私は興味はない。なぜか。…怪談の方が好きだから、だ。
｢えっ…ささやまちさと…？｣
凛がふと声を出す。
｢は？私？｣
思わず、変な声が出てしまった。
いや、それもそうだろう。クラスで人気な男子が私のことを好きなはずない。
まぁ、私も別に健人なんて好きでもない。好きなのは怪談…って、これは二回目か。
｢ちょっと、千咲！先に取らないでね｣
｢とるわけないでしょ、そもそも私は怪談の方が好きなんだから。｣
｢それならいいけど…｣
まったく、恋する乙女は大変なんだな…って、私が言うことではない。
さて、次は私の番だ。
うーむ、なにを質問しようか…
ー
ちなみに好きな遊びはなんですかって質問、私が
昔過去にやったのですが、なわとびって返ってきました。
…随分可愛らしいこっくりさんだなって思ってました。すみません。
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