僕らのヌナは、今夜も僕らの夢を見る[SVT]

＃成功したオタク育成方法 ページ2

___you side

断っておくと私は推しのアイドルに交えてあたかも自分のメンバーのようにテレビのVTRを編集する能力はないし。

某鳥の掲示板に自分の名前と推しのアイドルとの大量の写真を大勢にばら撒かせるほど洗脳能力はない。

ついでに脳内のアイドルたちを実写化も今の所はできない。


つまり私は本当にアイドルで、それもSEVENTEENの紅一点。


事の原因…らしきものは私が幼少期から日本で女優業をしていたことだった。

母曰く、幼い日の私が街で声をかけられたらしい。
今どきスカウトなんて変な勧誘の手口に使われることがほとんどで
まともな親ならさっさと退散するところをうちの能天気母は”楽しそうだった”という理由で乗った。

運良くまともな事務所で、たくさんオーディションを受けさせてもらって
６歳の頃に勝ち取った大河ドラマの準主人公の役でお茶の間の涙と人気をさらった。

それからも『子役といえばA』『国民の娘』と忙しくテレビに出ていた私だったけど
中学生の頃に初めて韓国アイドルをテレビ局で見たのが運の尽き…じゃなくて運の始まりだった。

そこからというもの、子役業のかたわらで韓国オタクをして
『国民の娘』は『オタクの鏡』へと変貌をとげた。

＿＿○ン○ンのペンミ行ったら子役のAちゃんいた！
＿＿Aちゃんのステージを見つめる目が必死すぎてもはや恐怖の域だった。
＿＿朝の情報番組でAちゃんと○ン○ン共演してたのに、Aちゃん一言も話さずに見てたなんなのwwww

…なんてこともしばしば。

それをSNSで見つけたのがプレディスの社長だった。

『Aさん、うちの事務所からアイドルとしてデビューしませんか』

いやいや私踊れませんよ。

『あなたが韓国アイドルのダンス完コピしてるの見ました』

…歌は。

『あなたと同じ９６lineに練習の鬼がいますので』

…顔面は。

『…女優業でここまで成功してるのはその顔面のおかげだと思いませんか？』

あぁえぇうん。



こうしてついに私の日本での称号は『成功したオタク』にたどり着いた。

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