太陽の末裔(MH ページ16
朝と同じ…じゃない。
歯ブラシは13本しかない。
だからキッチンに行くと案の定、全員分並べてあったところから
ハルのピンク色のコップだけなくなっていた。
ハルは…自分で自分を消している。
だとしたら…。
言葉にする前に体が動いていて
リビングで立ち尽くす他のメンバーの間をすり抜けて階段を駆け上がった。
階段上がって、左、二個目。
『春&明浩』
木材に書かれた中国漢字。
入社日が近かった僕らは自然に一緒の部屋を使った。
『日本語読みだったら、メイコウ…かなぁ』
ハルが僕の漢字の日本語読みを教えてくれたのもこの部屋だった。
その扉はやっぱり少し開いていて、その瞬間確信した。
だからふぅ、って大きく息を吐いてその扉に手をかけた。
部屋の電気はついていなかったけど、
かわりにクラーがついていてひんやりした風が火照った頬に触れた。
「ハルや…」
窓から差し込む太陽の光の下で真っ白いハルはゆっくり僕を見た。
「あ、ヒョン…。
…さっきドアが開く音聞こえました」
しゃがんでいたハルの手元には旅行用のボストンバックがあって
ハルの服やなんかが一切合切入れられていた。
「ハル!」
すぐ後ろでハニヒョンの声がして、反射的に振り返ったらもうそこには全員いた。
「やっぱりヒョンたちだった」
感情のこもってない声でそう言うとハルは僕たちから目をそらして
枕元にあった僕らの写真が入った写真立てをボストンバッグに詰め込んだ。
ハルのベッドの周りには、もう何一つハルの存在を主張する物はなくなっていた。
「アンデ(ダメだよ)」
ハニヒョンがハルの隣にしゃがんで、そのカバンからものを取り出し始めた。
取り出した写真立てをまた枕元に置こうとしたけど
「嫌です」
ハルはきっぱりそう言ってハニヒョンから写真立てを取り返した。
「ハルや、ここはずっとハルの部屋だよ。
…デビューの事は黙ってて悪かった。
でも、お前を置いて俺らだけでデビューしようとしてたわけじゃない」
クプスヒョンの言葉にもハルは表情を崩さなかった。
「ハルの様子みて、デビューの時期ずらすように事務所に掛け合ってくれたんだ。
ハル、俺らはハルがSEVENTEENにいらないと思ったことは一瞬もないよ。
ただお前を焦らせたくなくって…」
「違います」
ホシヒョンの言葉を遮ってハルが僕たちを見据えた。
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ナオ(プロフ) - さーさん» こんばんは。返信遅くなってしまいごめんなさい!コメントありがとうございます!そう言って頂けると書きたくなっちゃいます^^ (2019年9月22日 22時) (レス) id: 46ad50699b (このIDを非表示/違反報告)
さー(プロフ) - とても大好きで続編が気になります!!是非見たいです! (2019年9月15日 3時) (レス) id: 8dc79320d4 (このIDを非表示/違反報告)
じゅな(プロフ) - ナオさん» 本当ですか?ありがとうございます^^ 大好きな作品の作者様に読んでいただけてるなんて幸せです〜!笑 お互い頑張りましょうね!! (2019年9月13日 22時) (レス) id: a407d442df (このIDを非表示/違反報告)
ナオ(プロフ) - じゅなさん» コメントありがとうございます!温かいコメントを頂けて嬉しいです^^ じゅなさんの作品も以前から読ませていただいていて、応援してます^^ (2019年9月13日 22時) (レス) id: 46ad50699b (このIDを非表示/違反報告)
じゅな(プロフ) - すごく感動です!!ぜひ続編読みたいです!これからも頑張ってください!! (2019年9月13日 22時) (レス) id: a407d442df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ナオ | 作成日時:2019年6月6日 19時