『僕らの隣』SC ページ33
ハニが短くため息をついて
まだ長かった髪の毛を結び直していた。
最近、デビューの日程が具体化してから事務所に来ることは多くなったけど
今日呼び出された原因はそれじゃない事ぐらい頭を働かせなくても分かっていた。
まだ事故から一夜明けただけだ。それなのに…。
もう事務所は方針を固めたのかと考えるとなんて冷血なんだと非難したくなる。
「デビューは予定通りにさせる。
13人で、5月にデビューしてもらう」
でも、直接そう言われると悪口を言われたみたいで
頭にカッと血が上る感覚がした。
社長室の暖房が鬱陶しいくらい体が熱い。
重い沈黙に耐えられなくなる前に
「Aは、どうするつもりですか？」
ハニが低い声で社長に向かって強い口調でかかる。
「すぐに契約解除するつもりはない。
…発表のタイミングも本人に任せる。」
「このまま宿舎にいてもらいますから」
決定事項を宣言するような口調だった。
「…あぁ」
社長はそれをさして気にしていない様子、
というよりは何が言いたげだった。
「何かあるんですか？」
思わずそう聞くと、社長は一度開けた口を閉じて
考えるような仕草をしてからまた口を開いた。
「…昨日、電話があった。
どうやってしたのかは、分からんが。
俺も、Aが事務所に入ってからもう5年はあいつの事を見てるから、辛い時の声も知ってる」
その声は震えていて、
あぁこの社長も人間なんだって思い出した。
「Aが言ったんだ。
お前らのデビューは延期させたりせず、
絶対に予定通りやってくれって。
…それをそばで見てるのは、あいつのためなのか」
最後の言葉は、僕たちに聞いてるんじゃなくて
自問自答してるようで何も言えなくなった。
「僕たちが幸せにするのでご心配なく」
ハニがそう言って社長室を出たから俺もその後を追った。
その表情は見えなかった。
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ﾅｵ(プロフ) - なつみさん» こんにちは！嬉しいコメントありがとうございます！適当に終わらせあがって！って読み返して自分自身で思いました笑 嬉しいと言ってくださるだけでその倍私も喜んでおりますありがとうございます！ (2020年4月25日 9時) (
レス) id: 76734e0b15 (このIDを非表示/違反報告)
なつみ(プロフ) - 更新とても驚きました！でもすごい嬉しくて速読しました！笑 素敵な作品ほんとうにありがとうございました！！ (2020年4月25日 9時) (レス) id: e7385012aa (このIDを非表示/違反報告)
ﾅｵ(プロフ) - 新井さん» 光栄なお言葉すぎてもったいないです、、！私の拙い文章でそう感じていただけて嬉しいです！新井さんのご期待に添えるようこれからもお話考えていきます^_^ (2020年1月18日 3時) (レス) id: d086dd3e98 (このIDを非表示/違反報告)
新井(プロフ) - 初めまして、ﾅｵさんの作品全て拝読しております！どれもとっても良くて好きです。今回のお話も読んでいて心がギュッと締め付けられます…みんな幸せになれることを楽しみにしています。これからも応援してます！ (2020年1月13日 2時) (レス) id: fd7e7604ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾅｵ | 作成日時：2019年12月8日 0時
