『脳内寸劇』SC ページ15
「プリンがいい！」
ハニがソファーの上で液体みたいにだらけながらそう言った。
「プリンは型になるものあるかなぁ…」
Aは食器棚を開けた。
「俺クッキー食べたい」
「あ、クッキーならできますよ」
「やー、クプスのお願い聞くのー？僕のはー？」
「だって型がないですもん」
事の発端は料理ができないのを指摘したら
お菓子なら作れる、ってAが宣言した事だった。
女の子は年に一回工場並みに作るんです、って自慢げに笑った。
火にかけた鍋を持つような女の子が果たして本当に作れるのか分からないけど。
「でもこれじゃ薄力粉が足りないです。
買ってきますね」
そう言ってAはケータイをぽっけに突っ込んでラックにかけてあるコートを羽織った。
「俺も行くよ」
寒いけど、もう結構暗いし女の子1人は危ないだろ。
「アニ、ケンチャナヨ(いえ、大丈夫です)
すぐ近くですし、薄力粉だけですから」
「アンデ(だめ)。
そういう所遠慮するなまじで」
俺もラックからダウンを引きはがして上に羽織った。
「ハニも一緒に来る？」
一応聞いておくけど…
「行かなーい、寒いから待ってる」
うん、そうだと思った。
Aはもう玄関で靴を履き終えてたから
俺もサンダルをつっかけて2人で外に出た。
初めてAと事務所で会った時
まだ木にくっついてた葉はもう落ち始めていた。
「クプスオッパってモテますよね」
「…ん？」
____いやモテねぇよ、彼女いないし！
____え！いないんですか？私も今彼氏いなくて。
脳内で寸劇が上映される。
「あっ！いや！変な意味じゃないですよ！」
ナンパの決まり文句だとやっと気づいたらしいAは顔の前で手をぶんぶん振った。
「…ふふっ、じゃあなんだよ」
「いや、さっきすごいスマートだったから」
買い物ついてきてくれるの、ってAご付け足した。
「…お前もモテるだろ。
いやほんと変な意味じゃなく」
男をたぶらかそうとせずに
こんな可愛い発言ができてモテないわけがない。
「アニ〜(いや)モテませんよ」
それは自覚がないだけだ。
危ない。変な男に捕まらないか心配すぎる。
「…ハニは正しかった」
嫁に行かせないようにするために
ハニがコレクトしているAのポンコツ現場写真を思い出していた。
「ハニオッパ？」
「何でもない、早く行くぞ」
「オッパ、スーパー逆です」
恥ずかしい。
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ﾅｵ(プロフ) - なつみさん» こんにちは！嬉しいコメントありがとうございます！適当に終わらせあがって！って読み返して自分自身で思いました笑 嬉しいと言ってくださるだけでその倍私も喜んでおりますありがとうございます！ (2020年4月25日 9時) (
レス) id: 76734e0b15 (このIDを非表示/違反報告)
なつみ(プロフ) - 更新とても驚きました！でもすごい嬉しくて速読しました！笑 素敵な作品ほんとうにありがとうございました！！ (2020年4月25日 9時) (レス) id: e7385012aa (このIDを非表示/違反報告)
ﾅｵ(プロフ) - 新井さん» 光栄なお言葉すぎてもったいないです、、！私の拙い文章でそう感じていただけて嬉しいです！新井さんのご期待に添えるようこれからもお話考えていきます^_^ (2020年1月18日 3時) (レス) id: d086dd3e98 (このIDを非表示/違反報告)
新井(プロフ) - 初めまして、ﾅｵさんの作品全て拝読しております！どれもとっても良くて好きです。今回のお話も読んでいて心がギュッと締め付けられます…みんな幸せになれることを楽しみにしています。これからも応援してます！ (2020年1月13日 2時) (レス) id: fd7e7604ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾅｵ | 作成日時：2019年12月8日 0時
