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どこか不思議な雰囲気が漂う小泉紅子さんは、転校してきたときからずっと素敵だと思って見ていた。







「それで、話って……?」





「……Aさんは、怪盗キッドを知っているの?」





「はい。白い大怪盗のことですよね?」





「正体は?」





「知りませんけど……」








根掘り葉掘り聞いてくるなんて、もしかして紅子さんもキッドのファン?




そう思っていると、「ファンじゃないから」とアッサリ否定されてしまった。







「それにしても、黒羽くんと中森さんと……喧嘩でもしたの?」







"喧嘩"というワードに、思わず肩を揺らした。




何でもお見通しな彼女に、少し驚いてしまった。






「えっと、まぁ……そんな感じです」





流石に私の恋愛事情を他人に話すのも気が引けたので、喧嘩ということにした。






「あら、本当にそう?私には失恋したように見えたけれど」




「失っ……え?」






とても不思議な気分だ。




紅子さんといると、考えていることが全て彼女に見られているように感じる。







「その反応…図星かしら?」




ふふっと笑う紅子さんの顔を見たら、なんだか彼女になら話してもいいかな、なんて思ってしまった。







「……好きな人に、恋人ができたんです」





紅子さんは私を茶化すことも無く、真剣に耳を傾けてくれる。







「好きな人が告白されている所を偶然見てしまって。耐えられなくて、その場から逃げ出してしまいました」





自嘲気味に笑うと、紅子さんは少し考えるように顎に手をあてた。







「でも、あなたの好きな人が告白の返事をする所……見てないのよね?」





「それは……そう、だけれど」





「じゃあそれを確認することね。現時点で失恋したと諦めるのは早いわ」






……すごい。





私だったらとっくに諦める所なのに、紅子さんは諦めない。







「…でも」




「グズグズしない!今日中に確認しなさい」







…でも、やっぱり無理だよ。







そう言おうとした私を見透かすように、紅子さんは背中を押してくれた。







「それと……また何かあれば、いつでも相談して」





そう言ってにこりと笑う彼女に、なぜだか急に勇気が湧いた。

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設定タグ:名探偵コナン , 怪盗キッド , 黒羽快斗   
作品ジャンル:アニメ
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華美 - 木実こむぎ@Project KZ副隊長さん» 初期の頃からですか!ありがとうございます嬉しいです!これからも頑張ります〜 (2019年6月21日 19時) (レス) id: 06514a18af (このIDを非表示/違反報告)
木実こむぎ@Project KZ副隊長(プロフ) - うわぁぁあ( ;∀;)終わってしまった、、、初期の頃から読ませていただいてました!番外編待ってます!( ´ ▽ ` )ノこれからも頑張ってください! (2019年6月21日 18時) (レス) id: 7f9bbdec25 (このIDを非表示/違反報告)
華美 - 雨上がりのcrewさん» わわ、ありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2019年6月19日 10時) (レス) id: 06514a18af (このIDを非表示/違反報告)
雨上がりのcrew(プロフ) - すごい。。。この作品私得←これからも更新頑張ってください!! (2019年6月16日 15時) (レス) id: 11f12a305b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:華美 | 作成日時:2019年5月7日 21時

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