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「……っじゃあ!」
耐えられなくなったこの気持ちを隠すように叫ぶと、快斗は驚いた顔をした。
「何で青子ちゃんと一緒に登校しないの!?」
「それは……」
何か言いかける快斗を遮って、私は続ける。
「今ならまだ間に合うよ……早く追いかけて」
驚いた表情のまま、快斗は私を見つめて黙り込む。
「追いかけて……青子ちゃんと一緒に行って………行ってよ!」
──────じゃないと、私が耐えられないから。
すると私の剣幕に押されたのか、彼はしぶしぶと言った感じで走って行った。
走る彼の背中を見つめながら、私は少しだけ痛む胸を抑えて立ち尽くした。
これで、良かったのかなぁ……
快斗には強く当たってしまったけれど、こうでもしない限り……優しい彼はまた私を気にかけてくるだろう。
……嫌われてもしょうがない。
むしろその方が、この気持ちに終止符を打てるような気がした。
快斗が走って行って、しばらくしてから学校へと向かった。
このまま休んでしまおうかとも考えたが、それでは学費が勿体ないと思ってやめた。
学校に着き教室に入ると、案の定青子ちゃんと快斗が仲良さげに話していた。
入ってきた私に気が付くなり、彼らは私を見て真剣に何かを話し始める。
自分の席に着席すると、教室内のざわめきがだんだんと遠くなっていく。
そういえば……転校してきてからずっと二人と一緒にいたせいか、友達があまりいない。
二人を悪く言う訳ではない。
むしろ感謝するほどなのだが……
その二人と気まずくなってしまった今、話しかけてくれるような友達はいなかった。
一人には慣れているつもりだったのに、今はこの静かさがとてもつらい。
「Aさん……よね?」
そう思ってしると、突然上から澄んだ声が聞こえてきた。
顔を上げると、そこにはとても美しい女性が。
「話があるの」
彼女に手を掴まれ連れていかれたのは、立ち入り禁止のはずの屋上。
目が紅くて、とても素敵な彼女は、たしか………
「紅子さん……?」
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華美 - 木実こむぎ@Project KZ副隊長さん» 初期の頃からですか!ありがとうございます嬉しいです!これからも頑張ります〜 (2019年6月21日 19時) (レス) id: 06514a18af (このIDを非表示/違反報告)
木実こむぎ@Project KZ副隊長(プロフ) - うわぁぁあ( ;∀;)終わってしまった、、、初期の頃から読ませていただいてました!番外編待ってます!( ´ ▽ ` )ノこれからも頑張ってください! (2019年6月21日 18時) (レス) id: 7f9bbdec25 (このIDを非表示/違反報告)
華美 - 雨上がりのcrewさん» わわ、ありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2019年6月19日 10時) (レス) id: 06514a18af (このIDを非表示/違反報告)
雨上がりのcrew(プロフ) - すごい。。。この作品私得←これからも更新頑張ってください!! (2019年6月16日 15時) (レス) id: 11f12a305b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:華美 | 作成日時:2019年5月7日 21時