私怨 ページ10
ナイフで刺してみましょう。
【黒色】
｢…っ、…満足か？｣
顔を一瞬歪めますが、すぐに平然を装います。
刺した腕からは鮮血が流れます。
ゆっくりと抱き寄せ、ナイフを自身の腹へ向けます。
｢…気が済むなら、好きなだけ刺せばいい｣
貴方に憎悪は似合わないから。
【赤色】
｢…っ！？｣
背後から深く刺したつもりでしたがやはり一撃では倒れませんでした。
痛いでしょ、と尋ねるとナイフを取り上げられました。
｢…痛ないわ｣
彼の大きな手でナイフを持っていた手が覆われます。
｢無駄なことはせんでええねん｣
貴方を無意味な人殺しにはしたくないから。
【緑色】
｢…、くっ…なんや｣
掌を刺せばいつもの笑みを崩し、苦痛に顔を歪めます。
綺麗、と机に溜まる血を眺めていると笑みを浮かべる彼の姿。
｢…ほんま、Aちゃんには敵わないめぅ｣
次の仕事手伝ってな、と言われてしまいました。
｢今度はちゃんと刺すって言ってな？｣
貴方が喜ぶならそれでいいから。
【水色】
｢ったぁ！！！なんやねん！！！｣
気づかれてしまったのか心臓ではなく腕を掠めてしまいました。
刺したくなった、と素直に白状すると豪快に笑いました。
そして、彼も貴方と同様にナイフを構えます。
｢じゃあ俺も刺していいってことやんな？｣
貴方と同じ気持ちを知りたいから。
【青色】
｢…あ、…いったぁ…！｣
え、と困惑した声を出したのでもう一度刺そうと振り翳します。
しかし、彼は抵抗することはありませんでした。
血が付いた腕を貴方へ伸ばしきつく抱き締めます。
｢Aちゃんにならええよ、殺されても｣
貴方が最後を見届けてくれるのなら本望だから。
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秋扇(プロフ) - ロアさん» かしこまりました。喜んで書かせて頂きます。お気遣い痛み入ります。更新までもう暫くお待ちいただけますと幸いです。 (2021年11月19日 22時) (
レス) id: a73cd4cc12 (このIDを非表示/違反報告)
ロア(プロフ) - 秋扇さん» 返信ありがとうございます。リクエストの件、了解しました。では、主人公が悪夢を見た主役の話を聞く、と言うのが読んでみたいです。作者様のペースで大丈夫ですので、よろしくお願いします。 (2021年11月18日 15時) (レス) id: 16ef5a014f (このIDを非表示/違反報告)
秋扇(プロフ) - ロアさん» コメントありがとうございます。お褒め頂き大変嬉しく思います。リクエスト等受け付けておりますが更新までお時間いただくと思います。それでも差し支えなければどうぞお申し付けくださいませ。 (2021年11月18日 5時) (レス) id: a73cd4cc12 (このIDを非表示/違反報告)
ロア(プロフ) - 初コメ失礼します。こちらの作品に出会えた事を心から感謝したいです。この作品と作者様の甘やかで、静謐な空気を感じられる文章が大好きです。また、リクエストなどは受け付けておりますでしょうか？不躾ですが、お答え願えると幸いです。長文、失礼致しました。 (2021年11月17日 16時) (レス) id: 16ef5a014f (このIDを非表示/違反報告)
秋扇(プロフ) - 鹿野ユズナさん» お久しぶりです。リクエスト、そして応援ありがとうございます…！喜んで書かせていただきます、更新頻度はゆっくりですがお待ちいただけると幸いです。お褒めの言葉、本当にありがとうございます。 (2021年7月4日 8時) (レス) id: a73cd4cc12 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：秋扇 | 作者ホームページ：https://odaibako.net/u/sasamegoto0401
作成日時：2021年3月28日 0時
