迎春 ページ45
年を越してましょう。
【黒色】
｢あけましておめでとう｣
貴方は驚きました。彼がこの言葉を知っているとは思っていなかったのです。
｢なんだ。間違っていたか？｣
貴方が首を振ると彼は微笑を称えました。
｢Aのことを来年はもっと知りたいと思ってな｣
【赤色】
｢…仕事があるんやけど｣
大晦日にも関わらず仕事詰めの彼に貴方は声を掛けました。そうこうしているうちに歳を越してしまいます。
｢あ、1年始まったな｣
そう言ってこちらを向きます。その顔は少しだけ赤みを帯びていました。なぁ、気づいとるんか。彼はゆっくりと言葉を並べます。
｢……この為に長引かせたんやで｣
【緑色】
｢Aちゃん、来年は何したい？｣
貴方の横に腰をかけながら呟きました。一緒にいたい、と貴方は零します。
｢今年も一緒におったやん｣
足りひんかった、と彼には珍しいまるで悪戯をする子供のような笑みを浮かべました。
｢今年も俺が叶えたるよ、Aの願い｣
【水色】
｢んぁ………なんやぁ…｣
彼の部屋に行けば既に眠りについていたらしく目を擦っての出迎えでした。謝罪の言葉を述べるが彼の耳には届いていないようでした。
｢あったかいなぁ｣
未だに夢現か。貴方を抱き寄せうつらうつらと煙草の匂いを漂わせながら時間が経過します。
｢これで俺が1番やろ｣
【白色】
｢そっか、Aも同じだったね｣
あけましておめでとう、と微笑み返答を送ります。
｢ちゃんと言えるのがAだけだから｣
ねぇ、と。漆黒の瞳が貴方を見つめていました。
｢…今年はもっと俺のことも見て欲しい｣
【青色】
｢…今年もAちゃんと一緒にいたいなぁ｣
何気ない会話の中でそう呟きました。皆に言ってるのではないか、と尋ねれば心外だという表情を浮かべます。
｢Aちゃんとしか年越さへんで｣
そう言い手を取り指を搦めます。
｢最後も、最初も一緒や｣
｢Aちゃんが嫌や言うても離れられへんで、僕｣
【深紫色】
｢久しぶり｣
そう言って目の前にいる彼を見て貴方は立ち止まります。彼はそれを見てゆっくりと腕を広げました。
｢今日くらいはいいと思うよ｣
おいで、と。貴方を腕を引き胸の中へ収めます。懐かしい香りに包まれることでしょう。
｢…これで去年と今年、一緒に過ごせた｣
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秋扇(プロフ) - ロアさん» かしこまりました。喜んで書かせて頂きます。お気遣い痛み入ります。更新までもう暫くお待ちいただけますと幸いです。 (2021年11月19日 22時) (
レス) id: a73cd4cc12 (このIDを非表示/違反報告)
ロア(プロフ) - 秋扇さん» 返信ありがとうございます。リクエストの件、了解しました。では、主人公が悪夢を見た主役の話を聞く、と言うのが読んでみたいです。作者様のペースで大丈夫ですので、よろしくお願いします。 (2021年11月18日 15時) (レス) id: 16ef5a014f (このIDを非表示/違反報告)
秋扇(プロフ) - ロアさん» コメントありがとうございます。お褒め頂き大変嬉しく思います。リクエスト等受け付けておりますが更新までお時間いただくと思います。それでも差し支えなければどうぞお申し付けくださいませ。 (2021年11月18日 5時) (レス) id: a73cd4cc12 (このIDを非表示/違反報告)
ロア(プロフ) - 初コメ失礼します。こちらの作品に出会えた事を心から感謝したいです。この作品と作者様の甘やかで、静謐な空気を感じられる文章が大好きです。また、リクエストなどは受け付けておりますでしょうか？不躾ですが、お答え願えると幸いです。長文、失礼致しました。 (2021年11月17日 16時) (レス) id: 16ef5a014f (このIDを非表示/違反報告)
秋扇(プロフ) - 鹿野ユズナさん» お久しぶりです。リクエスト、そして応援ありがとうございます…！喜んで書かせていただきます、更新頻度はゆっくりですがお待ちいただけると幸いです。お褒めの言葉、本当にありがとうございます。 (2021年7月4日 8時) (レス) id: a73cd4cc12 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：秋扇 | 作者ホームページ：https://odaibako.net/u/sasamegoto0401
作成日時：2021年3月28日 0時
