欷泣 ページ31
一人泣いてみましょう。
【黒色】
｢話くらいなら聞いてやる｣
そういつにも増して優しい声音で話しかけてくれました。
事情を話そうにも言葉が詰まって上手く伝えられません。そんな貴方を徐に抱き寄せ軽く背を叩きました。
｢ゆっくりで大丈夫だ｣
自分の服が濡れてしまうことも気にせずに。
｢俺たちはいつまででも待ってるぞ｣
貴方が話したい時まで傍にいるから。
【赤色】
｢…話してみてもええんちゃいます？｣
書類を持って部屋に入ってきた彼は驚いたような顔をしました。それも束の間、机に書類を置き貴方の横に腰をかけて頭を撫でそう言います。
彼の優しさにまた涙が溢れてしまいました。
｢Aが頑張ってんのは知ってんで｣
大丈夫や、と。
｢俺らは、何があっても味方やで｣
貴方を一人にはしないから。
【緑色】
｢はい、Aちゃん。一人で抱え込んだらあかんよ｣
そう言って部屋に入ってくるなり机にお菓子を並べました。貴方が好きだと言ったものが並べられます。
｢Aちゃん、どれが食べたい？｣
選んでや、といつもとは異なる笑みを向けました。
それは少しでも貴方に安心してもらいたいからでしょうか。
｢甘いものはな、幸せな気持ちにしてくれるんやで｣
貴方にとっていつか自分自身がそうなりたいから。
【水色】
｢なぁ、大先生知らへん？｣
泣いている貴方に気づいているのかいないのか。いつもの調子で話しかけて来ました。
知らない、と一言告げれば横に腰を下ろします。
｢大先生がな、めっちゃおもろいねん。前な、｣
そう言って楽しそうに話し始めます。
貴方も段々可笑しくなって笑を零してしまいました。
すると、話がピタリと止みます。
彼は貴方を見て笑っていました。
｢なんや、笑えるやん｣
貴方には笑顔が似合うから。
【青色】
｢ん、どうしたん？Aちゃん｣
大丈夫、と駆け寄り頬を包まれます。
｢ゆっくりでいいから聞かせてぇや。僕じゃなくてもええから｣
そこで自分に、と言わないところが彼らしいです。
そんな優しさにまた涙が溢れ貴方は小さくごめんなさいと漏らしました。
｢ええよ。僕はAちゃんの事好きやから｣
頬を包んだまま微笑みました。
｢僕みたいになったらあかんで。綺麗なAちゃん｣
貴方には絶対に傷つけて欲しくないから。
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秋扇(プロフ) - ロアさん» かしこまりました。喜んで書かせて頂きます。お気遣い痛み入ります。更新までもう暫くお待ちいただけますと幸いです。 (2021年11月19日 22時) (
レス) id: a73cd4cc12 (このIDを非表示/違反報告)
ロア(プロフ) - 秋扇さん» 返信ありがとうございます。リクエストの件、了解しました。では、主人公が悪夢を見た主役の話を聞く、と言うのが読んでみたいです。作者様のペースで大丈夫ですので、よろしくお願いします。 (2021年11月18日 15時) (レス) id: 16ef5a014f (このIDを非表示/違反報告)
秋扇(プロフ) - ロアさん» コメントありがとうございます。お褒め頂き大変嬉しく思います。リクエスト等受け付けておりますが更新までお時間いただくと思います。それでも差し支えなければどうぞお申し付けくださいませ。 (2021年11月18日 5時) (レス) id: a73cd4cc12 (このIDを非表示/違反報告)
ロア(プロフ) - 初コメ失礼します。こちらの作品に出会えた事を心から感謝したいです。この作品と作者様の甘やかで、静謐な空気を感じられる文章が大好きです。また、リクエストなどは受け付けておりますでしょうか？不躾ですが、お答え願えると幸いです。長文、失礼致しました。 (2021年11月17日 16時) (レス) id: 16ef5a014f (このIDを非表示/違反報告)
秋扇(プロフ) - 鹿野ユズナさん» お久しぶりです。リクエスト、そして応援ありがとうございます…！喜んで書かせていただきます、更新頻度はゆっくりですがお待ちいただけると幸いです。お褒めの言葉、本当にありがとうございます。 (2021年7月4日 8時) (レス) id: a73cd4cc12 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：秋扇 | 作者ホームページ：https://odaibako.net/u/sasamegoto0401
作成日時：2021年3月28日 0時
