【名探偵コナン】僕の幼馴染はFBIと棋士と高校生探偵で想い人は公安警察官 II

警察官でテロリスト【現在】 ページ10

「阿久根警部補……」

大介を庇う。
咄嗟にしゃがみ、抱き抱える。

「よく、分かったな」

「貴方こそ、バディを崩しているんじゃなくて？」

下から睨みあげる。

銃口はこちらを伺っている。

「おねえちゃん？」

なるべく、大介が見えない様に、包み込む。
微かな震えが伝わってくる。

「大丈夫だよ」

大介の耳元で囁く。
震えていなかっただろうか。

「俺は崩してない。ほら、仲間だ」

ふらりと影が動く。
甲斐さんじゃない。

甲斐さんよりもっと、大柄で、いかつい。

「ほう。。これか」

「あぁ、割合と上玉だろ？」

金属のヒヤリとした感触が頬を走る。
奴が、しゃがみ、銃で頬をなぞる。

火薬の香り……

これは、、おもちゃじゃない。

銃をしっかり見る。

「デザートイーグル……」

リコイル(反動)が大きくて、腕力があってもバランスを崩すと事故につながる。
逆に僕みたいな女の人でも姿勢さえちゃんとしていれば問題ない……

姿勢は秀兄に教わっている。
撃てる。

でも、どうして、コイツが持ってるの？
それは、日本警察の持つ銃では無い。
アメリカの一部の地域で狩猟用として使われているもの。

阿久根警部補が所持しているのは、デストリーと関係してるから？

大介だけは、守らないと。

零さん、来て欲しいけど、、来ないで欲しい。
零さん1人なら、なんとか逃げ切れるかもしれない。

僕がいる事で、零さんに危険が及ぶ。
僕がいる事で、大切な人が傷付けられる。

そんなの、嫌。

「あんた、デストリーの構成員なのね」

僕がいる事で大切な人を守りたい。

「あぁ。気付くのが遅かったな。甲斐はデストリーでも何でもない。ただのヒラ巡査だ。なかなかうまいミスリードだっただろ？」

阿久根警部補はいやらしい笑みを浮かべている。
ゾッとする笑みだ。

「しにたくないか？」

銃で首元を撫でられる。

キモチワルイ……

子供の頃は生きているのが辛かった。
特に、真純と出会う前は、出会ってからは、毎日が楽しかった。

そして、突然、真純達は姿を消した。
来る日も来る日も彼女を探した。

秀兄を、チュウ兄を、真純ママをパパを、
でも、何処にもいなくて。

辛くて、悲しくて、苦しくて。
しにたくなった。

でも、真純に会うまでは、秀兄と笑い合うまでは、チュウ兄に将棋で勝つまでは、死ねないと思った。

それからは毎日、彼女達に会える日を信じて、生きた。

でも、まだ、彼女には会えない。

あの時計を見つけるまでは、しねない。

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