コンビニでお菓子【過去】 ページ24
「ごめんなさいね? お見舞いに来てもらって。あなた達も遠いんだからそんなに来なくて良いわよ? はい、これ、帰りに何か食べて。じゃあ」
そう言って母はチュウ兄にお金を押しつけて病室を出た。
僕には冷たいし、僕の事は嫌いみたいだけど、世間体は人一倍気にする人だ。
「Aちゃん、これは今度お母さんに返してくれないか?」
秀兄が言った。
「そうだねぇ、受け取れないねぇ」
チュウ兄も困った感じの顔で言った。
「なんで?」
「まぁ、今は難しいかもしれないがこれを受け取ったら黙認した事になるからな」
「もくにん?」
「大きくなればわかるさ。今は知る必要はない」
そう言って、秀兄は包帯+ネット頭の僕を撫でてくれた。
それに満足した僕は〈もくにん〉の事をすぐに忘れた。
高校生になった今思うとあれは、
母が私に洗濯を強要したり、他にも何かを強要している事を予想した彼らがそれは違うと、許されないと、俺たちはそれを良しとしない。
僕の味方であり、貴女の都合の良い様にはさせない。
いざとなれば僕を守る気がある。
見て見ぬふりはしない。
多分、そういう事なんだと思う。
ありがとう。
みんな。大好きだよ。
結局、そのお金は僕が預かって、母に返そうとしどだけど、例の置いていったお金と一緒にされた。
その結果を彼らに話した。
「そうか、まぁ、そうなるよね」
チュウ兄が困った顔で言った。
「まぁ、Aちゃんが好きなものを買えば良い」
僕は何日かに1回、秀兄達がお見舞いに来てくれた時、コンビニでお菓子やスイーツ買って、真純と楽しんだ。
看護師さんと行くときは、スナック菓子を買ったりした事もあるが1人で食べても楽しくないから1人の時はあまり買わなかった。
当時、僕ら園児の中で流行していたシールブックも何冊か買って、真純と交換したりして遊んだ。
そのシールブックはまだ大切にとってある。
粘着部分が劣化して、最近は捲るたびに何枚か剥がれてくる。
剥がれてきてきてしまった子は別の入れ物に……その入れ物も真純達との想い出が詰まっている。
こんなにも、真純達との想い出が溢れてくる。
「A?」
突然、名前を呼ばれた。
「! お父さん?」
今は、どこにいるか分からない、父が病室に現れた。
当時はすごい嬉しかった。
真純達も父親がいなかったから、その点でも私達は、似ていた。
「5分くらいしかいられないが。すまないな」
お父さんは困った笑みを浮かべながら、頭をかいた。
202人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
英 優美(プロフ) - さちさん» お返事がとっても遅くなりごめんなさい! ありがとうございます(((o(*゚▽゚*)o)))! 一気読みとても嬉しいです!! 癖になって頂けたのなら何よりです。ひっさしぶりに更新できました!またちょいちょい更新していきたいと思いますので宜しければまたお付き合い下さい。 (2020年12月26日 0時) (レス) id: f665d4eef8 (このIDを非表示/違反報告)
さち - すごくおもしろくて続きが楽しみです。ここまでいっきに読んじゃいました。過去と今、最初は読みづらいのかなって思ってましたが癖になりました。よろしくお願いします。 (2019年12月19日 20時) (レス) id: 72e733d873 (このIDを非表示/違反報告)
英 優美(プロフ) - ちー子さん» お返事遅くなりすみません 汗 ようやく更新できました。宜しければまた宜しくお願いします!! (2019年12月18日 15時) (レス) id: f665d4eef8 (このIDを非表示/違反報告)
英 優美(プロフ) - うたプリ大好き?さん» お返事大変遅くなりすみません。。。 ようわく更新できました! 宜しければまたお願いします……! (2019年12月18日 15時) (レス) id: f665d4eef8 (このIDを非表示/違反報告)
ちー子 - はじめまして!いきなりですみません。『僕の幼馴染はFBIと棋士と高校生探偵で想い人は公安警察官』は、もう更新されないんですか?私は続きが気になります。 (2019年12月14日 16時) (レス) id: e1506e4f67 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:英 優美 | 作成日時:2017年11月8日 1時