【名探偵コナン】僕の幼馴染はFBIと棋士と高校生探偵で想い人は公安警察官 II

兄妹で御見舞い【過去】 ページ21

そうだよね。
自分の娘は包帯も点滴もして無いけど、助けてくれた女の子は、ギブスをして、点滴を打たれている。
そして、車椅子でお見舞いに来た。
本来ならこちらから伺うべきだった。
そう、あやかちゃんのご両親は思ったんだと思う。

「あやかちゃんが元気で良かった！ もう大丈夫だよね？」

「うん！ ありがとうAちゃん」

そう言って、彼女は微笑んだ。
両親に囲まれて幸せそうだった。

「あ！ Aちゃん！ ここにいたのね！ 絶対安静って言ったでしょ！」

「すみません、どうしても友達に会いたいらしくて」

「ごめんさない……」

しゅんとして、見せた。

秀兄が看護師さんに言う。
彼女は少し赤くなり、

「も、、もう！ 次はないですからね！」

きっと、今思えば、秀兄がイケメンだから少し照れたんだよね。

秀兄よりイケメンな男の子には未だに出会っていない。
真純より仲良くなれた女の子もいない。
チュウ兄より僕に優しくしてくれた男の子もいない。

彼らはどこへ行ってしまったの？
チュウ兄は棋士として忙しくしているみたいだ。
史上最年少何とかを達成した？ とかする？ とか。
将棋は詳しくないからわからないけど。

僕は秀兄の運転で部屋に戻る。

「あれ？ ママ？」

病室に戻ると母がいた。
母が見舞いに来たのはその1度だけだ。

「A、着替え持ってきたから。お金も置いとくわ。下にコンビニとコインランドリーあったわね？ そこで好きな物買いなさい。洗濯は自分でして。できるわね？」

「好きなの買って良いの？ じゃあ、パチパチキャンディー買う！」

「なんでも良いわよ。洗濯、できるわよね。溜めないのよ。乾燥機ついてるはずだから、それで乾かすのよ。この部屋、干せないんだから。いい？ お母さん、そんなに何回も来られないから。ちゃんとやるのよ。こんな、遠くの病院に入れられて……しかも、個室。まぁ、病院代は警察持ちって聞いたけど」

今思えば、ひどい親だ。
子どもが重症を負っているのに、何も心配しないどころか迷惑にさえ思ってる。手間だと思ってる。

「お洗濯？ できるよ。いつもやってるかるね！」

「Aえらいな！ ママのお手伝いか！」

「？ 僕の仕事だよ？ たまにママもやってくれる！」

そういう家もあるのかな？
という感じの戸惑った表情を真純が見せた。

ある程度の事がわかる秀兄とチュウ兄は微妙な表情をしていた。

彼ら3兄妹がいる事を思い出した母はハッとした表情を浮かべた。

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