【名探偵コナン】僕の幼馴染はFBIと棋士と高校生探偵で想い人は公安警察官

電話と携帯【現在】 ページ39

降谷side

こんなに早く警察病院を占拠できるなんてまさか、内部犯行か？ 若しくは警察関係者……
その両方が協力したとしたら。

「おい、ハム公」

「何です？」

「見取り図が見つかったそうだ」

Aさんがそれをヒラヒラとさせた。

「あぁ」

俺はここの構造は全て理解しているが経理課の奴らや、Aさんに説明するにはあったろほうが良い。

「今はここにいます」

俺がstuff roomと書かれている部屋を指す。

「方向は……？」

「こういう向きだね」

少しでもAさんが落ち着けるように気を配る。
彼女は俺が敬語を使っているときより緩い口調のほうが落ち着けているようだからそうしたが、
でも、彼女にはそんな必要は無かったのかもしれない。

「なるほど、奴らはここのホールに集まってる訳ですね。そして今何人かが巡回中、迂闊に大きな声は出せないですね」

何故、こんなに落ち着き払っているのか。

「なるほど。今日は警察関係者きてないのか？」

「僕が知る訳ないでしょう。僕が把握しているのは貴方がたと湊だけです……湊！ あいつはどうなっている？」

「電話……してみるか？」

経理課の1人が聞いて

「リスクが高くないか？」

もう1人が答える。

「そうだな。湊が俺たちがいる事を話してしまったら奴らは俺らを血眼で探すだろう」

と、俺も言った、

「でも、繋がるんですかね……？ 警察病をこんなに早く占拠できるんだから電波ジャック？ 電話線とか切ってそうですよねー」

Aさんはそう言って立ち上がった。

「おい、お嬢ちゃん。あんまりウロウロするなよ？ 物音立てるなよ？」

「わかってますから。あと、お嬢ちゃん呼びはやめてください」

「Aさん？ どうされたんですか？」

「電話、探してるんです。内部の電話は切られてるだろうけど念の為確認しとこうって」

だから貴女はなんでそんなに余裕なんだ。

「あ、あった」

そう呟いて電話をとった。

顔を伺うと彼女は首を横に振った。
やはり切られてるようだ。

「どうする？」

「ここの中で電話を掛けあうのはどうでしょうか？」

「は？」

経理課は首を傾げる。

なるほど。

「わかった。やってみようか」

「はい！」

こんな状態なのにAさんは花が咲いたような笑みを浮かべるのだった。

「じゃあ、Aさん、携帯貸して下さい」

「はい」

彼女から携帯を受け取ると俺は自分の電話番号を押した。
繋がるのか、繋がらないのか。

それは大きなカギだ。

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