【名探偵コナン】僕の幼馴染はFBIと棋士と高校生探偵で想い人は公安警察官

降と谷【現在】 ページ14

降谷さん。
漢字に変換してや頭の中に浮かべる2文字。
漢字を知っただけなのに、なんなんだこのトキメキは。
ドキドキしてる。

「下の名前もきいていいですか??」

「僕の名前なんか知ってどうするの？」

急なタメ口は反則的にかっこいい。

「気になるから。じゃ、ダメですか？」

「まぁ、いいでしょう。僕も貴方のフルネームを知った訳だし。零です。ゼロって書いて零。小さい頃のあだ名はゼロだっなぁ」

遠くを見る目になった。
どこか悲しいような、懐かしいような。

「零さん」

「えぇ」

降谷 零 字を頭に並べる。
なんか素敵な字面だ。

黒井なんで、黒いじゃん。
って前にぼやいたら"じゃあ僕は赤井だから赤いだな"黒と赤。
昔から僕達はくろちゃんだったりあかｯ ちゃんだったりクロとかアカとか。
名前で呼ばれる事は殆どなかった。

僕と真純だけは唯一お互い名前呼びだった。
それがまた、特別な感じがして好きだった。

「ところでAさん、寝ている間に"真純"とか"秀兄"とかおっしゃってましたけど、恋人とお兄さんですか？」

「ち、ち、ち、違いますよおぉぉおおお！」

全速力で否定した。

「ボ……あたしに恋人はいません。できた事もありません」

「でも、告白された事はあるでしょ？ "好きです"とか"お付き合いして下さい"とか」

「告白、ですか？ "付き合って"となら何度か言われましたけど。"いーよ！"って言って"まじ！？"と言われ"うん。ところでどこへ？"って言ったら俯いてどこかに行ってしまいました。そして次の日からなんか向こうが気まずそうな感じでしたけど、告白じゃないですよね？」

すると零さんは堪えられない、と言った感じに吹き出した。
笑うとこんな顔になるんだ。
まだ、まだ知らない事だらけだ。
知りたい。
でも、なんで？

"好きになるとその人のいろんな事が知りたくなるの"

と、誰かが言ったのを思い出した。

「あ、そーゆことか」

僕、好きになったんだ、零さんの事。

「え？ え？ え？ ええええぇぇ!?!?!?」

ぼ、僕が？ 恋をした？？

「どうされました？ 大丈夫ですか？」

「あ、大丈夫です！ すいません」

「それより、お母様にお電話しのですがやはりこれないと」

やっぱりね、

「大丈夫です。1人で帰れます。帰ります」

「ダメですよ。まだ体調がよろしくないでしょ？」

「大丈夫です！」

「じゃぁ、立ってみて下さい。ゆっくりで構いませんから」

「あ、はい」

零さんが僕の前にスリッパを並べてくれた。

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