【名探偵コナン】僕の幼馴染はFBIと棋士と高校生探偵で想い人は公安警察官

赤と黒【回想】 ページ1

「はじめまして！ 赤井 真純です」

はじめて彼女と会ったのは幼稚園の教室だった。

元気な声でそう言った転校生とクラスメイトの僕。
転校生ってか転園生？

その頃はお互い純粋で、何も知らない幼稚園生だった。

「赤井 真純ちゃんは……Aちゃん。黒井Aちゃんの隣にいってもらえる？」

僕の隣は空席でそこに真純は来た。

「よろしくな！」

「よろしくね」

「赤井って苗字なの？」

「うん。君は黒井っていうのか？」

「うん、黒井A」

「じゃあ、僕たち赤と黒だな。井まで一緒だし」

「ね！ 赤と黒の組み合わせ好き」

「偶然！ 僕も好きなんだ」

「なんか、A達仲良くなれそうだね」

「だな！」

その言葉通り僕達が仲良くなるのにそう時間はかからなかった。

お互いの家に行き来したり、
遅くまで泥まみれになって遊んだり、

彼女の家に行ったとき、お兄さん達に会った。
確か、彼らは確か中学生と大学生で。
勉強も教えてもらった記憶がある。

大きくい。かっこいいって思った。
これが俗に言う"イケメン"なんだと当時幼稚園児の僕は生意気にもそう感じていた。

「やぁ、嬢ちゃん。また来たのか？ まぁ、楽しんで行ってくれよ」

秀兄。
彼女はそう呼んでいたからあたしも自ずとそう呼んだ。

「Aちゃん！ 来てくれてありがと！ いつも真純と仲良くしてくれてありがとね！ 楽しんで行ってね！」

チュウ兄。
彼女はそう呼んでいたからあたしも自ずとそう呼んだ。

2人とも必ず楽しんでいってねと言ってくれた。

一人っ子のあたしには憧れの存在だった。
お兄さんってこんな感じなんだって。

母と父にお兄ちゃんがほしいと駄々をこねたりもした。

その頃は分かってなかった。
お兄さんはお兄さんという生き物で
お兄さんという生き物が存在すると信じてた。

「黒と赤だって！ このクラスカラフル！ 他に色がつく人は、えーっと」

「あら、直樹くん、先生の苗字知らないの？」

「美希子先生は美希子先生だもん！」

クラスの男の子が言った。彼も彼で
"美希子先生"という生き物が"先生"という名前の生物が存在すると思っていた。

「先生の名前は青島でしょ？」

真純は溌剌と言った。

「え？」

「僕のおかーさんが言ってたもん」

「なんで真純ちゃんは女の子かなのに"僕"なの？」

その時の答えは何故か忘れてしまった。
でも、納得した記憶がある。

僕の一人称が僕なのは彼女を忘れない為だ。
突然アメリカに行ってしまった彼女を。

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