散髪 ページ4
「新ちゃん! 新ちゃん! ちょっと髪の毛伸びたんじゃないの?」
かーさんが久しぶりに帰国して工藤邸にいる。
昴さん、つまり赤井さんは気をきかせて出かけていった。
「ンだよ……あぁ、伸びたかもしれねぇーな」
俺は髪を触ってみた。
「じゃあ、久しぶりに私が切ってあげるよ!」
「は!?」
「小さい頃よく切ってあげたじゃない❤」
「ぜってぇー嫌だ。かーさん1回失敗したじゃねぇーか! もうあんな思いしたくねぇーよ」
すっげー恥ずかしかったンだから。
もうこりごりだぜ。
「あら、そんな事あったかしら?」
「あったから言ってンだよ。バーロ」
ジロッとかーさんを睨むとかーさんははて?
と腕を組んで人差し指で顎をつき上を見上げる。
俺は身長のせいで自然と目線は上。
山のように本が入っている。
あー久しぶりにあれ読みたいな。でも届かねえンだよ。蘭や赤井さんに頼むわけにはいかねぇーし。
まぁ、赤井さんにはバレてる気がするが……
「あぁ、あの時の事か? 新一」
人が書斎に入ってきた。
「と、父さんも帰ってたのか?」
「あぁ、久しぶりに日本の地に入りたくてね」
と、ウィンクして見せた。
「ったく。フラフラしてねぇーで仕事しろよな」
「大丈夫! もう原稿はあげてきた。こっちでも来月には販売されるさ"緋色の捜査官 2"がね」
「!? どーせ父さんは見本もらうんだろ? それできたら送ってくれねぇーか?」
「もう、新ちゃんったら優作にはそんな調子なのになんで私には冷たいの!」
「それはかーさんが髪切るとか言い出すからだろ!」
「失敗したのは私のせいじゃないもん!」
ハァ?
「そうそう、新一が変な髪型になって1週間くらい学校を休んだのは俺のせいなのさ」
「ハァ?」
今度は本当に声がでた。素だった。
「そうよ、優作が!」
「俺が思い付いたトリックをお前があっさり解くから俺が叫んでビックリした由希子がザックリいってしまったという寸法だ」
「あ? あれか。ったく。とーさんのせいだったのかよ。クッソ」
「ね? だからお願い。新ちゃん切らせて?」
これは頷くまで帰らないな……
「わーった! わーった! 切ってくれ」
「そうこなくっちゃ」
そういってかーさんは散髪の準備を始めた。
ハハハ。既視感しかねぇーよ。
「懐かしいわねぇ❤」
かーさんはいつも呑気だな。
こっちはほぼ毎日事件事件で苦労してるっていうのに。
「新一、今回の話の一部をしてあげよう」
「おう」
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作者名:英 優美 | 作成日時:2016年8月28日 2時