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頭痛 ページ12

頭が重い。ガンガン内側から叩かれている様な痛みだ。

頭痛のタネは分かっている。

ベットの上で寝返りを打ち、携帯を手に取る。
14:38を表示していた。
なんとも中途半端な時間だ。

「新一……」

こない電話。
こないメール。

新一とのやりとりがもっと気軽にできる様になると思っていれたメッセージアプリも最後の履歴はコナンだった。

新一との最後の会話はいつだろうか?

遡って調べる。
下へのボタンを連打。
押して、押して、押して、押した。
ようやくでてきた。
下から3番目。

会話の画面を開く。

←じゃあ体調、気を付けてね!
と蘭が送って
→お前もな

と返事が来た。蘭は微笑む猫のスタンプを送った。
ゴロに似てるねと話していたスタンプだった。

そのスタンプに既読がついてから返事がこなくなった。履歴の日付は1ヶ月以上前になっている。

用事が無いのに送っても良いのだろうか?

ここの所そればかり考えている。

それだけじゃない。
父の小五郎は競馬で大負け。
家の事や新一の事が重なり、勉強にも手がつかず、テストの点も悪かった。
それがさらに頭痛を促進させた。

「……バカ」

そろそろコナンが帰って来る。
今日は休みの日でコナンは博士の家に遊びに行っている。
父は近所の人達と麻雀。
こんな日だからこんな時間に寝ていられるのだ。

「コナン君に心配かけちゃうから起きてないと」

そう呟いて起き上がったもののまだ鈍い頭痛は続いている。

⋆。˚✩

「おい、新一。具合が悪そうじゃな」

「悪いも何もすげー頭痛えんだよ」

コナンは眉間に皺を寄せながら言った。
そう言いつつもコンピュータと睨めっこだ。

「もう休んだらどうじゃ?」

「休めるかっつーの! ったく」

「あら、随分機嫌が悪そうね」

「は、灰原」

「何よ、人をオバケみたいに」

灰原が突如現れそう言った。

「わ、悪りぃ」

「まぁ、どうでも良いけど、珈琲淹れたんだけど飲む?」

「サンキューな。珍しいな、雪でも降るんじゃねぇーか?」

「バッカじゃないの!? 私が飲みたくて淹れたの。時間は少しかかるけど手間は変わらないからついでに淹れてあげたんじゃない」

そう捲し立てつつもマグに珈琲をそそぐ。
珈琲の香りが鼻をかすめる。
キリマンジャロ。

「はい」

そう言って差し出された珈琲は淹れたてだった。

「カップふたつしかねぇーじゃねーか、お前は飲まないのか?」

コナンは灰原に問う。

「私は向こうで飲んで来たから」

灰原はそう言った。

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作者名:英 優美 | 作成日時:2016年8月28日 2時

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