入道雲 ページ1
お題 : 入道雲
キャラ : コナン、哀、歩美、光彦、元太、安室、
「見て見て、コナン君!」
俺たち少年探偵団はポアロにいた。
「どーした? 歩美ちゃん」
「ほら、大きな雲が出てる!」
「入道雲ですね! 外行って見てきませんか!?」
「お! 良いな! 行こうぜ。ほら、安室の兄ちゃんも」
「オメェーら食い終わってから行けよ。それに安室さんは仕事中で」
「あら、早くしないと雲は動いていなくなってしまうわよ?」
「灰原オメェーまで」
「私は食べ終わってるし?」
「ったく」
歩美達は既に外に出ていたが元太が思い出したように戻ってきた。
「ほら! 兄ちゃんも一緒に見ようぜ!」
「だから、安室さんは……」
「あ、大丈夫だよ、コナン君。ちょっと待ってて元太君」
安室さんってスゲェ。この人柄の変わり様……
「さ、コナン君も行こうか」
「あ、うん」
安室さんと供に外に出た。
確かに大きな入道雲だ。
「大きくて綺麗ですね」
「ですよね! 外で見て正解でしたね!」
「うん!」
「だな!」
雲を見上げる安室さんの表情が何処か哀しげだった。
(スコッチ……お前は俺の事を見守ってくれているんだよな……まってろ。お前の仇を討ってやるから。必ず)
「なぁ、灰ば……」
灰原に声をかけようとしたら灰原も哀しげな表情をしていた。
(お姉ちゃん。これで良いのかな? 私。いつまでこのままいられるのかな? このまま、ここにいて良いのかな……?)
灰原……
もしかして明美さんの事思い出してるのか?
「わーい! 気持ちい〜!」
安室さんや灰原の事には気付かずはしゃぐ子供たち。
俺も空を見上げる。
そしてこれまで黒ずくめの組織の被害者達を思い出していた。
明美さん、アイリッシュ、キュラソー……
必ず、組織を潰してやる……
「コナン君どうしたの? 怖い顔して?」
「え?」
「ホントだぞ! オメェーおっかねぇ顔してたぞ」
や、やべ。
「わ、悪りぃ、まだ夏休みの宿題終わってなくてやべぇーなって」
「えー!? コナン君まだ終わってなかったの!?」
「俺なんか昨日終わったぜ!」
「僕は7月中ですよ!」
「歩美もー!」
バーロー。
宿題なんかその日のうちに終わったぜ。
中身は高2なんだから。
「あら。大変ね江戸川君」
「コナン君らしくありませんね」
安室さんまで……
「あ、あはははは…」
「きゃははは」
楽しそうな声が爽やかな空に木霊した。
それぞれ抱えるモノは沢山あるが今は空が綺麗だ。ただそれだけだ。
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作者名:英 優美 | 作成日時:2016年8月28日 2時